巨魚が潜む草垣群島へ!! |【F.R.E.A.M vol.1】
多彩な魚種がヒットし、大型魚の魚影も濃い草垣群島。今回は仲間とともにそんなハイポテンシャルなフィールドに1泊2日の磯泊まりでチャレンジしてきました。果たしてその結果は…!?
Text & Photo:KFC・東村純孝
ハイポテンシャルな草垣群島にアタック
晩秋の草垣群島へ釣行してきました。普段は渡船の出船率が高い4~5月に釣行しているのですが、今回は「晩秋の磯はどんな感じだろう?」と調査がてらの釣行です。
まず、草垣群島について簡単に紹介すると、鹿児島県南さつま市の南西沖約90㌔の東シナ海に位置し、上ノ島、中ノ島、下ノ島、南小島から無人島群島。九州の離島といえば男女群島や五島列島、トカラ列島などが有名です。一方、草垣群島は九州以外のアングラーにはあまりなじみのない島だと思いますが、黒潮の恩恵を受け、多彩な魚種と大型魚がヒットするポテンシャルの高いフィールドです。また粗々しく起伏の激しい形状からか、別名「鬼ヶ島」とも呼ばれます。
さて、今回は釣行の4日前に台風28号が発生して出船が危ぶまれましたが、前日の11月23日に出船が確定!! 仕事を終えて帰宅し、タックルボックスに釣り具と夢を詰み、少し仮眠を取って体調を整えます。そして、日づけのかわった24日の午前1時30分に起床。同行の原田君、田中君の地元である串木野港から出船しました。
草垣群島への道のりは海況にもよりますが通常なら約4時間。いつもはワクワクして眠れないのですが、今回は仕事の疲れからかすぐに熟睡。船のエンジンがスローダウンしたところで目が覚め、午前5時過ぎに草垣群島に到着しました。
出船前、船長に希望の瀬を伝えたところ「最後の方に渡すからゆっくりしてて!!」とのことだったので、他の釣り人が別の瀬に渡るのを見ながら僕たちの順番がくるのをのんびりと待ちます。そして、1時間ほど経ったころ、ようやく名前が呼ばれて無事に渡礁しました。
大型魚の気配が濃厚
渡してもらった瀬は島と島の間の海峡部分に位置する、いかにも潮が速そうな独立礁です。対岸の島とはフルキャストすればルアーが届いてしまいそうな距離感です。
さっそくタックルをセットしてアプローチを開始。まずは磯の形状と潮流の具合を確認します。潮は東側から水道を抜け、西側へ轟々と走っている状況でした。
西側の潮しものヨレにルアーをキャストしますが、潮流が速過ぎてルアーがきっちりと泳ぎません。そこでルアーを交換していると、釣友が「チェイス!!」という声を上げました。大型魚が原田君のルアーを追ってきたようで、水面に大きな波紋が。そして、次のキャストで見事にヒットに持ち込みました。しかし、魚は水道部を潮しもへ向かって疾走し、ドラグが凄い勢いで逆転。強引に耐えているところでPEラインが弾け飛んでしまいました。思わず尻もちをつく釣友。開始早々からいきなり大型魚が出現して面食らいます。
周囲が完全に明るくなったところで大型魚が小型のダツを捕食していることが分かりました。ダツがベイトシャワーとなってときおり海面を割ります。
ここで230㍉のペンシルをセット。東側の潮かみにキャストすると、数投めでドッパーンと海面が割れてヒット!! 魚は激流に乗ってもの凄いスピードで西側の潮しもへとで走ります。根ズレによるラインブレイクを避けるためにまずはラインをフリーにしました。そして必死で後方の瀬へと走り、足場のよい位置でベールを戻してファイトを再開。ドラグはあらかじめ強めに設定していたのですが、流れに乗った魚をなかなか止めることができません。ジリジリとラインを引き出していく魚に対して徐々にドラグを締め、1分半ほどかけてようやく走りを止めることに成功。スプールに残ったラインを見ると軽く100㍍以上は走られたようです。
ここから反撃開始とばかりにポンピングを10回ほど繰り返して寄せますが、再び反転を許してしまい、10㍍ほど走られたところでリーダーが瀬に擦れて痛恨のブレイク…。ヒットしたのはおそらく大型のイソマグロですが、勝負すらさせてもらえませんでした。とにかく急流に乗って走られるとかなり厄介です。そこで、今度はドラグをやや緩めに設定し、あわよくば魚を潮かみにを走らせる作戦で挑むことにしました。
潮かみにキャストを続けていると、「食いましたー!!」とペンシルを引いていた田中君が竿を曲げました。魚は竿をガンガンと叩いていますが、パワーファイトですぐに浮上。ギャフを掛けて無事にランディングしたのはアオチビキでした。美味な魚をキャッチすることができてみんなのテンションが上がります。
その後は原因不明のラインブレイクが3回ありました。あとで分かったことですが、この日はダツが非常に多く、PEラインの入水点や結束部分を噛まれており、ヒット後にラインブレイクが多発したようです。これに気づいてからはメタルジグの釣りにシフト。タックルはいつもホームで使用しているカンパチ用(PE5号+リーダー20号)です。
潮かみに向けてアプローチを続けていると、宙層までワンピッチでシャクり上げたジグにドスッとバイト!! ヒット直後にガクガクと首を振る感触が伝わったかと思うと、今度はもの凄いスピードで走り出しました。ドラグセッティングを緩めにしていたのが奏功し、魚は思惑通りに潮かみへと向かいました。
沖には根がないはずなので魚を自由に走らせていると、やがてスピードが落ち着いてきたのでスプールに指を添えてブレーキをかけます。すると魚の走りが止まったので、リフトを繰り返して寄せにかかります。以降は勢いよく走ることもなく、意外とすんなり寄ってきました。しかし、足もとまできたところで魚が再び流れに乗り、水道を抜けて潮しもに走られてしまいました。
腰を落として応戦するも止めることができず、角度的にラインが瀬に触れそうになったのでリールのベールを返してラインをフリーにし、自分から走って魚に近づきます。すると、ジグをくわえた魚が水面下を力なさそうにヨタヨタと泳いでいるのが目に入りました。「これは勝てる!!」と確信してベールを戻し、フルリフトをかけると魚がボコッと浮上。最後は原田君がギャフを打ってくれ、イソマグロをキャッチすることに成功。計測すると140㌢と立派なサイズでした。離島らしい魚を手にすることができ、思わずみんなで歓喜の声を上げました。
その後は潮が少し緩んでまったりとした展開に。ここで待ってましたとばかりにお土産用の根魚狙いにシフトしますが、カワハギ系の魚にすぐにワームをボロボロにされてしまいます。原田君と田中君はメタルジグやタイラバ用のラバージグなどを使用し、赤い魚をポツポツ抜き上げていました。
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