【ヒラスズキゲームQ&A】Q1.各地のシーズナルパターンは? | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

【ヒラスズキゲームQ&A】Q1.各地のシーズナルパターンは?

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九州北西部

【磯】盛期以外にも爆釣パターンが‼

Answer:池田一郎

ヒラスズキに出会うためにはいくつかの条件を満たすことが必要だ。それはサラシや潮、地形、ベイトであったりするわけだが、シーズナルパターンをひも解いていくと、それらの要因に加えてこの魚の本能に支配された行動、産卵期が密接に関係することが見えてくる。

産卵時期は、私が知る福岡を始めとする九州北部においてはおよそ2月から3月にかけてである。しかし、その時期は個体や年によって1~2カ月の幅があるようだ。経験上、年によっては1月上旬にキャッチしたものが産卵後の個体だっこともあるし、4月上旬にキャッチした魚が抱卵状態だったこともある。

このことからも産卵期間を明確に示すことはできないが、その前後となる春と秋はヒラスズキが年間を通して最も多くのベイトを必要とするハイシーズンといえる。

季節の移りかわりとともにベイトの種類や気象状況は変化するが、12月から1月は、スポーニング直前の荒食い時期に当たる。九州北部では西高東低の気圧配置がもたらす北西風が吹き荒れる日が多いときだ。磯のサラシは日常化している。

この時期のベイトは、沿岸部にはカタクチが接岸し、沖磯にはキビナゴも姿を見せ始める。海が荒れ過ぎて竿を出せない日が多くなるのが唯一のネックだが、乳白色に染まる荒磯でウェートの乗ったランカーヒラスズキの期待が高まる。

産卵期に当たる2月から3月は釣果にムラが出やすい傾向がある。ベストなサラシ具合であっても釣れそうで釣れないことがたびたびだ。産卵中のヒラスズキが多くなり、捕食エリアが磯際から離れるためだと考えられる。

しかし、過去には2月に月間キャッチ数の記録を更新した年も数回ある。その中で産卵前のプリプリのヒラスズキが群れてキビナゴを追っているシーンにも遭遇した。この時期の釣果はベイトの接岸状況に左右されやすい。

4~5月は産卵後の高活性なヒラスズキが多く、例年ヒット数が伸びる。九州北部ではサラシが出にくい時期に差しかかるが、サラシさえ広がればヒラスズキとのコンタクトは極めて高確率だ。この時期のヒラスズキはサラシとは関係ないゴロタ場のブレイクなどに群れていることも多く、普段見過ごすような意外なポイントで中~小型が大当たりすることも多い。

この産卵後の荒食い期は年によっては6月ごろまで続く。梅雨に差しかかると南風が吹く日が多くなり、気温も一気に上昇するため磯歩きはハードになるが、沖磯や風向きに面したポイントが連なるエリアでは好期が続く。

8~9月は体力面でかなり厳しい季節を迎える。磯のヒラスズキに唯一のオフを定めるなら八月だろうか。しかし、台風シーズンでもあり、台風絡みのシケで短時間の2ケタヒットの経験もある。残暑厳しい中でも条件しだいでヒラスズキは磯際に姿を現わすわけだ。このことからもこの魚が気温や水温の変化に順応している様子がうかがえる。

9月も後半に差しかかれば、いよいよ秋のシーズンが幕を開ける。10~11月は、ひと雨ごとに気温が下がり、北東から北寄りの風が吹く日が多くなる。玄界灘に面した九州北部の磯は北寄りの風を正面から受け、海がシケる頻度を増してくる。

カタクチの接岸もこのころから密になり、実績ポイントの大場所では群れたヒラスズキがヒットすることも珍しくない。磯に居ついて初めてルアーにヒットしたような50㌢にも満たない小型が多いのもこの季節によく見られるヒットパターンだ。数が出やすいのでビキナーもそれなりに楽しめる季節といえよう。

以上、駆け足でシーズナルパターンに触れたが、その気になれば年間を通して磯からヒラスズキを狙うことは可能である。経験値を高めるためにも季節を問わず磯へ足を運びたいと思っている。

この季節、この風、この潮ならここだ‼ と狙いを定めるのも手堅いが、まったく別のアングルからポイントをリサーチすることも新たな発見に繋がる第一歩といえる。すべては自然相手。フィールドへ立つことで偶然は生まれる。偶然が、やがて確信へとかわることを信じて、ぜひ…。

ヒラスズキ シーズナルパターン6
ヒラスズキ シーズナルパターン7
晩秋から初冬はベイトがキーポイント‼

【磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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