【ヒラスズキゲームQ&A】Q1.各地のシーズナルパターンは?
四国南東部
【磯】水温の変化に注目したい‼
Answer:長井 淳
徳島県南部における磯のヒラスズキシーズンは春、秋、冬がメインになり、それには水温が関係してくるのではないかと考えている。磯のゲームでは18~20度が理想的とされ、その水温になるのが11月後半から3月までで、3月から4月上旬は15度を下回るケースが多くて厳しくなる。
4月中旬以降に水温が上昇しだすとヒラスズキの活性が上がり出し、水温が25度以上になる7月上旬まで狙える。特に5~6月までが春のベストシーズンという感じだ。
高水温期となる夏場は磯のヒラスズキゲームは厳しい。水温は下が15度、上が25度を目安にしてもらえるといいのではないだろうか。
また、水温の上昇、下降によってヒラスズキの活性がかわってくる。たとえば13度から16度に一気に上昇するといかにも釣れそうなイメージがあるが、実際に釣行するとノーバイトに終わってしまう…。
急激な水温の上昇には魚が対応できないのだろう。人も急に暑くなると動きがわるくなり、寒くなったときはさらに動きがわるくなる。魚も同様に活性が下がるのだ。たとえ水温が低くても安定してさえいれば魚は口を使うものだが、急激なアップダウンには対応できないと考えられる。
ということで、水温の推移はヒラスズキの行動や活性度合に繋がると考えている。水温を目安にシーズナルパターンを考え、釣行を組み立てていけば釣果に好影響が出るのではないだろうか。
【サーフ&河口】真夏も雨があれば…
Answer:加地武郎
サーフや河口で狙うヒラスズキは、まず冬場(1月後半~2月中旬ぐらい)に回遊が始まり大型が期待できるのが特徴だ。水温は13度ぐらいでも回遊はあるようで、私のホームフィールドである四国東南部ではこれ以上水温が下がることがあまりないので14度ぐらいから活性が上がると考えられる。
徐々に水温が上がっていく3~6月は春のハイシーズン。3月は産卵後の体力回復をはかっている大型のヒラスズキが狙える。4月、5月はベイトが豊富に接岸し始めてバイトが多くなる楽しい季節。数釣りがおもしろい。
6月は梅雨の雨量がキーポイントとなる。まとまった雨が降ると増水した河口回りで数も型も狙える熱いゲームが期待できる。
7~9月の夏場はいちおうオフシーズンと考える。ただ、6月同様に雨が降れば河口を中心に爆釣が期待できるので雨量に注目したい。
そして、10月からは秋のハイシーズンに突入。中・小型が多くなるものの多様なシチュエーションでヒットが見込める。ビギナーの入門に持ってこいの時期でもある。これが年末ごろまで続き、ベイトが抜けたタイミングでヒラスズキの好期が終了といった感じでシーズナルパターンが展開している。
四国南西部
【磯】エリア内でも産卵期が異なるから…
Answer:西村好仁
高知県は東西に長い。その中で私がメインに釣行しているのは県西部である。ここではこのエリアのヒラスズキゲームを中心にシーズンを説明しよう。
高知県西部のフィールドは足摺岬周辺を中心に東磯と西磯に分けて考えている。東磯とは黒潮町周辺から西の足摺岬周辺まで、西磯は足摺岬から北西の大月町周辺のことである。
まずは西磯から説明しよう。このエリアは対岸の九州との間が豊後水道であり、瀬戸内海から流れ込む水温の低い海水と、外洋を通る黒潮がぶつかり合う。その結果、多くのプランクトンが発生し、豊かな漁場が形成されている。このため大月町よりまだ北の豊後水道に面したフィールドにもヒラスズキが多い。
また、西磯は数多くの沖磯が点在し、グレ釣りなどでも有名なエリアである。青物の回遊も多く、これを狙って釣行したときでも磯際にサラシができていればヒラスズキのチャンスだ。かなりの確率で顔を見せてくれる。
冬場になると北西風が強い日が多いのも西磯の特色だ。東磯ではまったく波がなくてもこちらに回れば風波でサラシができ、ベイトも岸に集まるのでヒラスズキにとって好条件になっている。
一方、東磯は西磯に比べるとフラットな磯が多いエリアだ。いったんポイントに入ると幅広く狙える。しかも磯の形状がバラエティーに富んでいるためさまざまな狙い方ができ、数人で磯に入っても飽きることがない。
年回りにもよるが、東磯と西磯ではヒラスズキの産卵期が異なる感じだ。西磯では11月ごろから12月ごろまでで、1月にキャッチしたヒラスズキの多くは産卵後の個体だ。東磯では3月後半からあまり磯につかなくなり、4月ごろになると1日中磯を歩いてもまったく反応がない日もある。
さて、私のヒラスズキ狙いにおける年間の釣行パターンだが、1月から3月は西磯中心の釣行になる。東磯は波の出る日が少ないからだ。ただ、東面の波が高い日は産卵前のグッドプロポーションのヒラスズキを期待して東磯へ釣行する。
4月から6月は東磯の魚が産卵後で活性が低いので西磯中心の釣行になる。このころになると産卵期を迎えたキビナゴの群れが磯際につくことがある。このベイトのパターンで爆釣することも珍しくない。
7月から9月は海水温が高くてヒラスズキが磯際につくことが少なくなる。また、ウェーダーやウエットスーツを着ての夏の磯歩きは…。磯のヒラスズキゲームはひと休みの期間である。
10月から12月に海水温が少しずつ下がり始めると、産卵を控えたヒラスズキの活性が高くなる。ルアーに対しても反応がよく、最も強烈なファイトを見せてくれるシーズンだ。
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