【オフショアジギング】初冬の青物ハンティング講座① | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

【オフショアジギング】初冬の青物ハンティング講座①

青物狙いの基本メソッド

まずは1投めの着底時になるべくラインが垂直になるようにする。舳先(ミヨシ)や艫(トモ)のアングラーは船の後方へもキャストできるので流れが速いときはやや後方へ投入すればよりよい位置へジグを着底させられる。

そこから20回ほどリールのハンドルを巻いてジャーク、再度フォールさせて着底を確認する。このとき、船が流されることによってラインが出ていくので投入時よりもラインに角度がついている。つまり、底を取り直すたびにジグの距離は遠くなるわけだ。

1回めはラインが張った状態に近いのでジグに力が伝わりやすい。2回めは潮流でラインが流されながらのフォールとなるため水中のラインは1回めよりも大きく膨らんでいる。3回めはさらに距離が遠くなって糸フケが大きくなる。これを1セットとしてひと流しでの釣りを組み立てる。

しかし、1日の中でも条件は刻々と変化していく。たとえば、潮が動き出すにつれて船の流れが速くなったり、船の移動速度とラインが潮流で持っていかれる速さ(流れ)に差が生じるようになる。潮と風の方向が違うと、ラインがヘンな方向にフケたりして水中では複雑なラインのヨレが生じる。ジグにかかる抵抗が軽い、重いというのは、単にジグ本体に潮流の抵抗がかかっているわけではない。水中のラインが受けている潮流の抵抗が大いに関係してくるのだ。厳密にいえば上潮、宙層の潮、底潮の速さの違いも関係してくるため水中の様子を正確に把握するのは難しい。

そこで、私の場合は3回のフォールまでについて、確実に着底が判断できるウェートのジグをパイロット的に使う。あくまでも水深などの条件によるが150~200㌘がメインとなる。ときには300㌘が必要なケースもあるので幅広く用意しておきたい。ブリス・タチナロ、BEAT・ブースFなど、潮に乗りやすいジグがドテラ流しにはマッチする。

また、太陽光が届く水深で釣ることが多いのでジグのカラーはシルバー系のホログラムだけで十分である。選択肢がないから迷わず釣りに集中できるし、カラーよりもシルエットとアクションを第一に考えている。

一般的には、カケアガリの潮かみについている青物の反応に船を流して込んでいく。このため2回めの着底以降の巻き上げ時が勝負となることが多い。アクションはローギヤタイプのリーリングでジグに動きをつけ、ロッドワークでジグの動きを制御するスローなシャクり方を基本としている。ジグをシャクるというよりも、スイスイと泳がして斜め方向にホバリング?させるイメージだ。凧をジグに置きかえてイメージすると分かりやすいかもしれない。弱ったベイトがヒラを打って漂っているような感じだ。

ロッドは長めのレングスのものを斜め方向に抱えるが、縦(上下)にシャクるよりも横向き(前後)にシャクる方が力もいらずにラクである。スパッと切れ込まずに潮に乗るような動きをするジグがおすすめだ。

ジグのアクションスピードは潮流(船の移動も含めて)が常にジグを引っ張っているトローリング状態であることを考慮し、ジグが泳ぎ(動き)過ぎないようにロッドの動かし方で調整するのが基本となる。バーチカルにジグをシャクるのと、こういった斜め引きでのジグの移動距離はぜんぜん違う。斜め引きの方がヒットレンジに対して長い距離を効率よく通せるわけだ。

ただ、根の位置や船の流れ方を計算してジグをトレースしなければ意味がない。また、水深が深くて潮や船の動きも遅く、ラインが斜めになりにくい状況ではリアクションで食わせるような動かし方も試したい。さらに、超シャローポイントでは大遠投して船のプレッシャーを避けたところでヒットさせるのも一手だ。

それとフォール時は常にサミングし、ジグがラインを引っ張っていくような感覚で落とし込んでいく。こうした習慣を身につければ、フォール中のアタリやジグをいきなり持っていくような場合でも落ち着いてリールのベールを返して対処できる。また、テンションフォールでジグをヒラヒラ状態にすることでフォールのアタリがより明確にでる。

いずれにしても一辺倒な釣り方ではなく、いろいろな引き出しを持っておくことで魚と出会えるチャンスが増える。ハイピッチ系やスローピッチ系などいろいろなメソッドがあるが、あえていうならば泳がせ系だろうか(笑)。こうした釣り方もあるので多少の知識として覚えておいても損はないだろう。

補足だが、以下の図解はあくまでも一例である。潮と風が同調する場合もあれば逆になることもある。さらに、船が流される速さと潮流でラインが流される速さの差、ウネリや波の状態によってはラインに適正な角度がつかないケースも考えられる。1回のフォールでポイントを通過してしまうこともある。こうしたことからジグのウェートや投入位置を考え、バイトチャンスを増やす努力が欠かせない。どれだけ青物においしそうなジグを見せられるかがキーである。

青物ジギング アクション3
青物ジギング アクション4
青物ジギング アクション5

ポイントに対する船の流れ方、魚探の反応を参考にしてアクションを組み立て、ピンポイントで食わせるための工夫を凝らしたい

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状況変化への対応力を身につけよう!!

自然状況に左右されやすいドテラ流しでは、マニュアル通りにならないことが多いものだ。船の流れ方にしても、実際にはひと流しごとに流れ方がかわることも多い。ドテラでは片舷に並んで釣ることになるが、これも風の方向によってはトモから入るときもあれば、ミヨシが先行して流れることもある。

ポジション的には先に流れる方が有利となるが、その都度釣り座を移動するわけにもいかない。ジグを投入するタイミングをかえてみたり、投入点をズラすなどして、潮しもの釣り座でいかに効率よく魚をヒットさせるかもジギングの楽しさだ。いつまでやっても奥が深い釣りである。

(SWゲームフィッシングマガジン 2013年12月号より)

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