元祖グルグル釣法の実力とは? | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

元祖グルグル釣法の実力とは?

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スローな食わせの釣りを模索した末に…

改めて説明すると私が多用している釣法、通称・グルグルはキャスト後に任意のレンジで餌木を水平移動させ、イカに抱かせるタイミングを長く演出する釣り方だ。とにかくアタリを確実にとるという、昔ながらの“イカ釣り”の基本スタイルともいえる釣法だと思っている。

近年はPEラインによるシャクリの釣りが主体となり、イカ釣りからエギングへと進化してきた。シャクリ主体の釣り方はアピール力があり、広範囲からイカを集めることに適しているが、餌木を抱きやすいフォールやステイのタイミングが短い。それに対してグルグルはアピール力に劣るが、イカが餌木を抱きやすいタイミングを長く演出することができる。それぞれにメリット、デメリットがあるわけだ。いずれの釣り方においてもいかにアタリをとるかが釣果の差になっていると思う。

私の場合、シャクリの釣りもするが確実なアタリの手応えと、釣った感を味わいたいので波止、消波ブロック、地磯、離岸堤、沖磯、サーフなど、ポイントに関係なくグルグル(水平移動)釣法にこだわっている。

そもそもこの水平移動のサソイはイカに限らず、昔はありとあらゆる釣りでよく用いられた定番の“食わせる釣り”のスタイルだ。「シーバスやメバル釣りと同じような感覚で、餌木でスローなアプローチを実践すればイカも釣れるのでは?」と考えて実践してみたところ、かなり明確なアタリを感知して釣り上げることができた。以後はその“釣った感”にどんどんハマッて現在に至っている。当初はロッドをさびいて水平移動を演出していたが、経験を重ねるうちにリーリングがメーンになった。

リーリングをメーンに神経を集中させてその抵抗感から海中の情報を察知していく。

理想のフッキングを追求

グルグルでヒットに持ち込んだ場合、ほとんどが口もと(烏トンビ付近)に掛かっている。これは二十数年続けてきた結果なので偶然ではなく、餌木の姿勢や移動方向、スピードなどによってイカの捕食パターンがあるように感じている。

当初はイカの抱き方(掛かり方)はイカ任せと思っていたし、抱き方を見ても何の疑問も感じなかった。しかし、多くの釣友と釣行を重ねていくうちにいろんな掛かり方があることが気になりだした。2本の触腕で掛かっている、腕ではなく目の前あたりの上部に掛かっている、触腕以外の足に掛かっている、スレで筒の先端部やエンペラに掛かっている…。これらすべての掛かり方に意味があるのではないだろうか。何かしらの条件が揃ったからその捕食行動をせざるを得なかったのではないか? グルグルでの掛かり方を見ていると抱き方はイカ任せではなく、アングラーが主導権を握ることができると確信している。魚釣りでいうところのカンヌキに掛ける合わせができるのだ。

考え方をかえるとイカの場合は口もとよりも触腕に掛かる方が引きは強いので、バラシを少なくするためにグルグル(水平移動)で釣り、引きを味わいたいときは触腕に掛かりやすいトリッキーなアクションで誘うという、アングラー主導の楽しみ方もできる。

ギブ・アンド・テイクの精神がスキルアップの近道

スキルを上げたければ自他共栄という考え方を持ちたい。釣友とお互いの考えや情報を交換することにより自分が気づかなかったことに気づかされ、またアドバイスすることで自分が解明できなかった次のステップを相手が編み出して教えてもらえることなどもある。

自分だけが釣れればいいという考えでは上達するのに時間がかかる。それどころかいずれ頭打ちという結果になるだろう。同じレベルの釣友なら操作方法や状況判断などの情報を共通言語でスムースに交換でき、互いの上達が早くなる。したがって同行者も自分自身という考えを持ち、相手がうまくなるようお互いに考え合うことがスキルアップの近道といえるかもしれない。

多くのアングラーの知識やデータを集めれば餌木の形状や動き、さらにはエギングのスタイルまでかわってもっと広く楽しめるかもしれない。イカ釣りのジャンルの一部がエギングと呼ばれるようになってまだ15年ほどしか経過していない。かなり確立されてきたように思うが、実はまだまだ発展途上であり、さらなる進化を遂げてほしいと願っている。

エギングがさらなる進化を遂げるためには、やはり柔軟な思考と貪欲な好奇心で釣りと向き合うことが重要だろう。

 

《参考タックル》ロッド=ゼナック・GAHOUJIN AG92パラボリック、AG86パラボリック、AG80パラボリック、AG78パラボリック/リール=シマノ・ツインパワーC3000/ライン=ゼナック・ZEKS0.8号/リーダー=クレハ・シーガーグランドマックスFX2.5~3号/餌木=デュエル・アオリーQ3.5~4号

(SWゲームフィッシングマガジン 2016年1月号より)

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