【難関クリアのチャンス!!】初冬のリバーヒラスズキゲーム入門《後編》
合わせのコツ
アタリを感知したあと、反転したヒラスズキの重みがロッドに乗ったところで1回しっかりと合わせを入れるだけだ。それほど難しくは考えていない。
そもそもヒラスズキはフッキングを決めにくくバラしやすいターゲットだ。7年ほど前の夏のこと。夕方から翌朝までの間に150回ほどのアタリがあり、そのうちハリに乗ったのは70回ほど、そしてキャッチできたのは27匹だった。技術的に未熟だったうえに頭に血がのぼってガサツな釣りをしてしまったのは事実だ。しかし、同じ数のアタリを得られたとしても、現在でも100回乗せて50匹以上キャッチできるという自信はない。ヒラスズキはルアーの直下から突き上げるようにバイトして即座に反転するという捕食スタイルを取ることが多いためミスバイトとなる確率が高く、ハリ掛かりも浅くなりがちだ。だから合わせ方よりも、より確実なバイトを誘発させるためにトレースラインやレンジ、食わせの間の演出などを工夫することが重要だと考えている。
なお、ロッドを立てたアプローチの際はラインとの角度が90度となるように保持することで、視覚とロッドを持つ手の触覚の両面で水中の変化をとらえることができる。ロッドを寝かせたアプローチの際はラインと一直線になるようにルアーのある位置へ向け、リールに伝わる巻き抵抗により水中の変化を感知する。
ファイト&ランディングのコツ
バラシを低減させることを目差すならドラグを緩めに設定し、ラインを緩めないようにヒラスズキをいなして怒らせないようにファイトすることだ。
合わせを入れたあと、ロッドでタメて負荷をかけているとヒットしたヒラスズキはジャンプするはずだ。このときは跳ねた方へ即座にロッドを寝かせ、以降のエラ洗いを防ぐ。そしてヒラスズキが着水したら寝かせたロッドごと引き寄せながらリールのハンドルを巻き、頭をこちらに向けさせる。そこからは以下の通り。
①負荷を与えないようにロッドとラインを一直線にしたまま、ヒラスズキとイーブンペースでリールのハンドルを巻く。
②ヒラスズキが違和感を覚えて抵抗し、膠着状態になったらロッドを立てて負荷を与える。
③走りだしたらその方向にロッドを寝かせ、頭をこちらに向けさせる。①に戻って繰り返す。
という具合で、あらかじめ決めておいたランディングポイントに誘導し、タイミングを見計らって躊躇せずに一気にランディングする。
ヒラスズキに限らず大型魚とのファイトに不慣れな方であれば、ドラグをかなり緩めに設定しておき、ジャンプの際に寝かせる以外はロッドを立てたままラインとの角度を90度に保ち、ゴリ巻きでファイトするのがベター。なお、ラインテンションの変化がヒラスズキに違和感を与えるのに加え、緩んだタイミングでバラシが多発するためポンピングはNG。また、個人の好みでやるぶんにはいいが、フルドラグでの強気ファイトもバラす確率が高くなる。
冬以外のホットシーズンは?
ベイトの動向しだいで年間を通して狙えるといっても過言ではないが、9月後半~11月中旬と2~3月初旬は正直なところ厳しい。9月後半以降はヒラスズキが分散する時期のため、河口周辺で狙い目となるのは11月中旬からの落ちアユシーズンだ。
12月末になると落ちアユはひと段落するが、落ちハゼやその他のベイトが多い時期なので問題はない。2月には気温、水温ともに著しく低下してベイトも少なくなるため厳しいが、産卵直前のコンディションのよいビッグワンを狙うことができる時期でもある。このころは産卵場となる沖の深場の瀬により近い河川が狙い目だ。
3月になると南紀エリアでは産卵にともない順次深場に落ちるが、中旬にはアフタースポーンの個体が戻ってきだすのと、2月から始まる稚アユのソ上がまとまった規模となるうえに他のベイトも戻ってくるので釣りやすいシーズンとなる。以降、5月までは稚アユを意識したパターンで狙うとよい。
6月からの梅雨シーズンは降雨による増水とベイトの流下がキーとなる。梅雨が明けると磯のコンディションが悪化してサマーパターンにかわる。河口周辺においてはベストシーズンであり、大多数のヒラスズキが河口を目差して回遊してくるとさえ感じる。台風の影響によるまとまった降雨と増水が絶対条件だ。また、他の条件しだいでは河川内に居つく個体も少なくない。
スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。