【タチウオジギング】セットアップ・パーフェクトガイド《後編》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【タチウオジギング】セットアップ・パーフェクトガイド《後編》

タチウオジギング タックルセッティング5

食わせやすい細めのタックルを用いれば釣りを有利に展開できるが、鋭い歯を持つタチウオだけにラインブレイク対策は必須。その点を念頭に置いてセッティングやアプローチ法を追求しよう!!

解説:村瀬清之

細めのセットアップでの釣り方のコツ

タチウオに限らず、多くの魚はラインが細ければ細いほど活発に食ってくる。とはいえ、単に細くすれば釣果がアップするというわけではない。アタリの数と同様にトラブルも増えるからだ。たとえば基本事項として、船上よりも家でゆっくりとラインシステムを組んだ方が確実だ。そのようにライントラブルを少しでも減らすように細心の注意を払って釣りに取り組みたい。ラインの寿命を伸ばすためにフッ素系のコート剤をスプレーしておくのもよい。

実釣ではジグを竿下に落とすだけでなく少しキャストすることもある。いずれの場合も着水後はラインを完全なフリーにはせず、親指と人差し指で軽くつまんで不要な糸フケが出ないように若干のテンションをかける。このときにフッ素コートが施されていればラインの出がスムーズだ。指でつまむことにより着底感が掴みやすいし、フォール中のアタリも明確に感知できる。

なお、スピニングリールの場合はスプールエッジを押さえてラインテンションをコントロールしようとするとフォール中のアタリがかえって分かりづらくなるので要注意。

ドラグは弱めに設定しておき、ヒット後に魚が引くときはロッドで耐えるようにする。そして少しでも軽くなったら一気にリールを巻く。他魚とのやり取りと比較してかなり速く巻いても問題ない。潮流が速いときなどは魚が上方に向かってくることがあるし、頭を振るなどの余裕を与えてしまうとバレやすくなるためモタモタしないことが肝要だ。水面まできたらそのまま手を止めずに船上まで一気に抜き上げるとよい。

タチウオジギング タックルセッティング6

アプローチでは不要な糸フケが出ないように注意したい。

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ラインブレイク対策

続いてシチュエーション別のラインブレイク対策を紹介しよう。

●潮がわり時…それまでラインブレイクがなかったのに、同じ攻め方で突然切られるようになることがある。アングラー側は気づかない程度の流れの変化でもタチウオの動きに大きく影響しているためだ。潮が緩いときは頭を上にした立ち泳ぎの姿勢で遊泳しているが、速くなるにつれて水平に近い姿勢を取る。当然、ジグに対しての食い方もかわるからリーダーに歯が触れることが多くなる場合もあるだろう。

このケースでは潮の動きに攻め方を合わせるとよい。たとえば、潮が徐々に速くなってきたのならタダ巻きにおけるリーリングスピードを速めるなどの対応が効果的だ。青物狙いのときのようにビシバシと動かす必要はないが、潮が速いときほどアクションも速め、強めと覚えておこう。

●ジグのアクションが合っていないとき…単純にアクションが合っていないときは切られやすい。ジャーク主体だったのを巻き系にするなど、攻め方を大きくかえて様子を見る。

●入れ食い時…タチウオが密集状態で群れていると、ラインがその中を通るだけで歯に触れて切られることがある。食い方とは無関係なためリーダーのみならずメインラインも切られるし、巻き系、ジャーク、フォールとジグの動きの変化で対応できるものでもない。入れ食いの代償の税金と思ってあきらめるしかない。

●アクション後のストップ時…追尾してきていよいよバイトしようかというときにジグが止まったら、タチウオはそれを通り越してリーダーに噛みついてしまう。このようなタイミングでのラインブレイクが多い場合は急激なストップを入れず、タダ巻きを続けたりスピードを徐々に変化させるなど連続的な動きの中で食わせるように心がける。

●フォール時…私は以前はラインブレイクを避けるためにほとんどロッドアクションをつけず、巻きスピードの変化だけでドラゴン級を釣っていた。だが年々タチウオがスレてきたため、今ではストップやフォールも多用している。とはいえ一般的なタチウオ用のジグではやはりロストが多い。それは大半のジグ(リヤウエート)がフォール時に横を向いている時間が短く、タチウオがバイトしようとしたタイミングで沈下しだしてリーダーに噛みつかれるからだ。このパターンを回避するにはジグが沈み出すタイミングでロッドを軽く持ち上げ、漂っている時間を稼ぐことだ。

もう1つの方法としては、フォール姿勢が安定しているスローピッチ用のジグを使うことである。このタイプが起こすフォールアクションは追尾してきた個体には効果絶大だと感じている。予算が許せばいくつか用意しておこう。

タチウオジギング タックルセッティング7

以上のようにさまざまなケースでラインブレイクが発生するが、多くは糸フケができる、ジグの位置や向きが急にかわるといったタイミングでリーダーにミスバイトしてくるという形だ。だから、最も切られにくいのはスローなタダ巻きである。このパターンは大型を反応させやすい反面、ヒット率は低い。一方、最も切られやすいのは速いジャーク後のストップ時だ。このアクションはヒット率、ロスト率ともに高い。

タチウオは他魚と比較してジグを追ってくる時間が長い。食わせるカギはスピード変化である。ゆっくりとしたアクションからスタートし、反応を見ながら徐々に速めていくことでラインブレイクを低減しつつ最適なスピードを見つけよう。

タチウオジギング タックルセッティング8

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