パイオニアの釈迦スタイル《PART4》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

パイオニアの釈迦スタイル《PART4》

バイクもルアーもレッドヘッド⁉

自信を持って投入できるルアーを持つことで限られた時間を有効に使える。ヒラスズキを狙って釣行を重ねていると得意なルアー、好きなルアーができてくる。私は普段からルアーローテーションはあまりせず、朝イチに選んだルアーを1日中使い続けることが多い。K‐TENブルーオーシャンがそれだ。初めてヒラスズキを釣ったのも、初めてシイラを釣ったのも、高知でアカメを釣ったのもこのルアーだった。そんなルアーだから使用回数が増える。すると、当然ヒット率も上がってくる。そんな信頼のおけるルアーを正確にキャストし、思い通りのコースに通すことができれば、ヒラスズキから何の反応もない場合でも自信を持って次のポイントへ向かうことができる。

ルアーのカラーについてはレッドヘッドばかりを使っている。それにはいくつかの理由があるが学者でもなく、ましてや魚と話ができるわけでもないので多くのルアーマンに納得してもらえる説明になるかどうかは分からないが…。

●理由①…中学生のころ、雑誌の記事で見たルアー(ダーデブルのスプーンやアブのハイローなど)が赤白で、それがとても印象的だったから。
●理由②…高校生のころ、釣りと同じぐらい興味のあったバイク、中でもホンダのCBX400Fの赤白のカラーリングがカッコよかったから。こんな理由でも、使用回数にともなって実績も増え、自信に繋がるものだ。
●理由③…もう少し科学的な側面から考えてみると、自然界では魚に限らずアルビノといわれる突然変異で全身が白っぽい個体が生まれることがある。仲間たちとは違うこのカラーが目立つことから外敵に狙われやすく、生存率が低いといわれる。「目立つカラー→レッドヘッド」だからよく釣れるのかもしれないとも考えている。

磯のヒラスズキ  パイオニア4

CBX400Fにまたがる私(左)。このころからレッドヘッドが大好きだった。

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いろんな釣りを楽しむことが大切

若いころはルアー釣りが一番おもしろいと思っていたし、今でももちろん楽しい。

30歳のころ、友人(マッドネスのメンバーとその仲間たち)に教えてもらってグレ釣りを始めた。ルアー釣りのタックルほどではないが比較的シンプルな仕掛けで、ルアー釣り同様に魚の引きもダイレクトに伝わり、これもまたおもしろい釣りだった。

ルアー釣りと大きく違う点は餌(主に沖アミ)を使うところだが、それによって見えてくることがある。たとえば、ターゲットがルアーを追うのに食いつかないで反転してしまったり、ルアーに見向きもしないというケースがある。みなさんも思い当たるだろうが、多くの場合、私たちルアーマンは「魚がスレている」と表現する。「スレている魚だからルアーを見切る」と思っているわけだが、本当にそうなのか? と疑問を抱くことはないだろうか。

本物の餌を使っていても同じように釣れないことは多々ある。ハリのついていない撒き餌にすら反応しないことがある。それまで撒き餌に反応していたグレの姿が急に見えなくなったり、逆に急に釣れ始めたり。それは潮の具合によることがほとんどだが、ルアー釣りの場合はその判断が難しい。ただ潮が動いていればOKという安易なことではない。だから、私たちルアーマンはスレているという言葉で片づけてしまうのだろう。私自身、もっと若いころから、もっといろんな釣りをやっておけばよかったと常々思う。

今の私の趣味はルアー釣りではなく「釣り」だ。

磯のヒラスズキ  パイオニア5

今はイシダイ釣りにも夢中‼

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最後に、私はヒラスズキ釣りで友人を亡くしている。もう20年以上も前のことだ。小学生のころからの友人で、ずっと一緒に釣りに行っていたのに…。誰もが「自分だけは事故にあわない」と思っている。彼もそう思っていたに違いない。数年前、あるイベントで和歌山の超ベテランアングラーである宇井晋介さんが話していた。「人は簡単に死にます」と…。私もそう思うし、釣行の際はそれを肝に銘じて決して無理はしない。

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