【磯のヒラスズキ】シューティングゲームを満喫するためのノウハウ
マイポイント開拓までの過程が最高に楽しい磯のヒラスズキゲーム。フィールドでは魚目線で狙い目となるポイントを絞り込み、自然と呼吸を合わせるようにアプローチすることが重要となるから…
解説:池田一郎
シューティングゲームの楽しさ
ヒラスズキという居着きのターゲットを狙う上での魅力は何といってもポイント開拓の過程にある。根や潮流などの目視できる要因のチェックから始めて磯際の延長線上に潜むであろう沈み瀬やスリットなど、地形変化を推測。ヒラスズキが好んで居着くスポットを模索しながらランガンを繰り返す。
ここぞというポイントから魚が踊り出た瞬間にはこの上ない満足感が得られる。そして、釣行のたびにそこで釣果が得られるようであれば絶好のつき場であることを確信。シビアな状況でも釣果が得られるマイポイントとなるわけだが、この過程がたまらなく楽しい。
確率アップの要因
魚目線で考えると、ナーバスなヒラスズキが活発に餌を捕食するには己の姿を隠して優位な立場で狩りができる場所に入ることが不可欠となる。これには地形的要素に加えて自身のシルエットをカモフラージュできるサラシのベールが欠かせない。
玄界灘に面する九州北部では、秋の訪れとともに「アゴ風」と呼ばれるやや強い北風が吹き始める。そして、時期を同じくしてカタクチイワシの接岸が密になる。秋口にこの2つが合わさると、いよいよ好期が幕開きとなる。
その中でポイントの状況を読むには経験値がモノをいうが、サラシを形成する要因となる風の向きと強さは波高にもろに影響する。参考までに私は風を正面から受ける状況であれば陸行ポイントで波高2.5~2㍍を釣行の目安にしている。釣行に際しては数日前から気象予報を記録し、波高やウネリの推移を把握しておくことが安全面からも重要となる。
アプローチパターンの概要
強風下、足場を潮が洗う不安定な状況において、いきなり磯際にポジションを構えるのは危険過ぎるのでNG。まずはポイント全体に目を向け、数歩下がった位置からアプローチを始めて変化する海況を観察したい。また、近場のポイントから狙うことで場荒れを抑え、ヒットチャンスを持続させることができる。
そして、ルアーアクションを最大限に生かして食わせやすい状態でアピールするには、キャストのタイミングを考慮する必要がある。具体的には波のピッチを見定め、ルアーがポイントを通過する際により厚いサラシが広がり、なおかつ凸凹の少ない海面になるタイミングに照準を合わせる。サラシが薄い状況なら大波が砕けた直後、波が高くてサラシが乱れ過ぎているときは大波が途切れた瞬間がキャストのタイミングだ。
また、ヒラは根回りのサラシの中、波が直接当たらない側についていることが多い。これを踏まえ、根回りをタイトに攻めるテクとして、ラインスラックを意識的に発生させてロッドワークで根に沿うようなカーブトレースを交えて狙う方法がある。リトリーブでは水面直下のレンジをキープ。追い波では速く、引き波ではゆっくりとリールのハンドルを巻く。そうやって常に生きたアクションを演出するように心がけたい。
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