ショア青物ゲームの真髄《後編》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

ショア青物ゲームの真髄《後編》

ショア青物ゲーム 釣り方8

《後編》ではショア青物狙いで使用頻度の高いダイビングペンシルの操作方法を中心に紹介。信頼するルアーで技を磨き、状況に応じたアプローチでチャンスをしっかりとモノにしよう!!

解説:本林将彦

アクション考察

ショア青物狙いで使用するルアーは場所と季節にもよるが、秋シーズンはダイビングペンシルやシンキングペンシル、マグロ用ミノーなどのプラグで表層付近を探ることが多い。

回遊待ちでダイビングペンシルを用いる場合、強めのロングジャーク(2~4㍍)で強くて大きな撹拌流による波動を広範囲に伝えるイメージで魚を集めることを意識する。実践方法は図4のようにロッドで下方をたたくように動かす。ダイペンの頭を水中に入れ、その後に横方向へゆっくりとジャークしながらリールのハンドルを3~4回転させて素早く巻き上げる。このとき、ポーズは少なめに取ることを心がけている。

ショア青物ゲーム 釣り方9

続いて潮流に変化が現われたり、急にベイトが見え始めたときはロングジャークにミディアム(約1㍍)とショート(50㌢まで)の各ジャークを交える。そして、あやしい場所では一度ハデなアクションを入れ、その後に長め(3~6秒)のポーズも入れる。ナブラが発生する前のこのタイミングでいきなりヒットすることが多い。

ミディアム&ショートジャークの実践方法は、最初のアクションだけリールのハンドルを巻きながらジャーク。2回め以降は図5のようにリールを巻かずにロッドのみでアクションさせる。斜め下方向をホウキで掃くようなイメージで直線的にジャークするのがコツだ。その後にリールのハンドルを回すのだが、次のアクションのために余分な糸フケだけを巻き取るように心がけ、ルアーを引っ張らないように注意したい。

ショア青物ゲーム 釣り方10

ここまでのダイビングペンシルの操作で注意したいことは、ミスダイブを極力少なくしてスプラッシュではなく、ダイブアクションを重視するということ。ダイブ時に生じる撹拌流によって波動を最大限に引き出すことができなければ効果も半減してしまう。

ミスダイブの原因の多くは図6のようにダイペンの浮き上がりやポーズ時にしっかりと糸フケが作れないことに起因する。これによって垂直に近いフローティング姿勢が取れず、テンションがかかって斜めから水平気味のポジションになってしまうのだ。これでは次のジャークで海面から飛び出してしまう。

ショア青物ゲーム 釣り方11

実釣時は速い潮流や風によって糸フケを作りにくい状況も多々ある。これを少しでも克服するためにもジャーク後にだらしなくゆっくりとロッドを戻すようなことは避けたい。まだダイビングペンシルが激しくアクションしている間に次の動作に移るのがコツである。ロッドを素早くルアーの方向に送り出して急激に糸フケを作るわけだ。これによってミスダイブを軽減することができ、ダイブ後の浮き上がりでトリッキーなアクションを引き出すことができる。

ナブラ撃ちのアクション

ナブラやボイルが確認できるときの攻め方はケース・バイ・ケースだが、基本パターンとしてはルアーが着水したらその存在をアピールするために強いミディアムジャークを1~2回入れる。そして、ナブラが発生しているホットエリアにダイビングペンシルが差しかかれば、できるだけ長くその場でアピールを続けたい。

具体的にはリールのハンドルをほとんど巻かずにロッドを上方に「チョコン、チョコン」と動かして最小限(糸フケを取る程度)のトゥイッチを入れる。これでペンシルの頭をおじぎさせて瀕死のベイトを演出。ホットエリアからハズれたら高速のタダ巻きで逃げ惑うベイトを演出しながら少しでも早く回収する。

これで反応がない場合はミディアムジャーク+長めのポーズで波動によるアピールを試みる。それでもダメなら波動がバイトの障害となっている可能性もあるのでシンキングペンシルにチェンジ。波動のない自然なヨタヨタアクション+ヒラヒラフォールで食わせにかかる。もしくはジグを使って待機エリアを狙うのも効果的だろう。

ショア青物ゲーム 釣り方12
ナブラ撃ちのチャンスは限られている。だからこそアプローチをしっかりとイメージしておき、理にかなった攻め手を繰り出したい。

居着きの個体も視野に入れよう

青物はベイトを求めて次々とストラクチャーをかえるので1個所に長く居つくことは少ない。しかし、タイミングが合えば居つきのシーバスなどと同様のパターンで釣れることも多い。

僕の場合、1日の釣り始めや新しいポイントに入ったとき、長い休憩の後などは、沖目のライズやベイトの塊を確認できない状況なら魚が居ついている可能性があるストラクチャーから攻めていく。使用するルアーはメインベイトに合わせる。夏~秋なら12~18㌢のダイビングペンシルといった具合だ。チェックすべき場所は以下の通りである。

①足もとや左右の水際。
②目に見えて水色がかわっているブレイクライン。
③沖目にある小磯やシモリ周辺など。

いずれもベイトがステイしやすく、青物もバイトに向けて待機しやすい場所である。これを①~③の順で攻めていくが、磯場では回遊待ちのタイミングでもこのような場所でヒットすることが多い。

ショア青物ゲーム 釣り方13
ライズなどが確認できない状況なら、まずはストラクチャー回りを攻めるのが得策だ。

【ショア青物ゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「ショア青物ゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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