【欲張りショアラーのツボR vol.5】検証、エイトトラップはシーバスに通用するか?
ブラックバスを攻略する釣法として注目されているエイトトラップですが、これがシーバスに通用するのか以前から気になっていました。そこで、今回はその検証結果についてレポートします!!
Text & Photo 山本典史
エイトトラップの威力
漁港で壁際に目をやると、足もとの明暗部にグッドサイズのシーバスがステイしている…そのような光景を目にした方は多いと思います。そして、このようなケースでは「どうせ口を使わないだろう…」と諦めている方がほとんどではないでしょうか。僕自身も過去にはあの手この手でバイトに持ち込もうとしましたが、結局口を使わせることができず、釣るのは無理だと確信して相手にしていませんでした。しかし、某釣り番組でビッグベイトによる8の字メソッド(エイトトラップ)を用いてブラックバスをヒットに持ち込むシーンを見て、前述の「見えシーバス」に試してみたくなりました。
8の字メソッド自体は以前から知られており、僕自身も足もとまでチェイスしてきた青物をこれでヒットさせたり、ヒラスズキ狙いでは回収前のルアーをL字にトレースして口を使わせたりしています。だから特に驚くこともなかったのですが、ブラックバスの変貌ぶりには目を見張るものがありました。最初はニュートラルな状態の個体が興味本位でチェイスしてくるのですが、エイトトラップにより突如としてバイトスイッチが入るといった感じでした。シーバスとブラックバスは似て非なる魚なので同じようにはいかないでしょうが、ビッグベイトを用いて試してみる価値は大いにあると考えたわけです。
検証結果から導き出したタックル
釣行のたびにエイトトラップを試してみたいと考えていましたが、某小河川で最初のチャンスが訪れました。普段は水が少なくてほとんど釣りにならない河川ですが、増水時はなかなかアツいポイントに変貌します。当日は水が少なく、シーバスを狙うというよりも増水時にトラブルがないよう、ストラクチャーの位置を把握しに行くような感じでした。
とはいえ、一応ベイトタックルでビッグベイトをキャストすると、ストラクチャーの陰からシーバスが出てきました。ショートキャストだったので追わせる距離もなく、ルアーはあっという間に足もとへ。ここでエイトトラップを試しました。ルアーを高速で操作し、水面をスキップしながらまさに小魚が逃げ惑うようなアクションで誘います。すると、これにシーバスが興奮して狙い通りにバイトしてきました。エイトトラップがいとも簡単に成功したわけです。さらに、この日は運よく同じパターンで小型ながら2匹のシーバスをキャッチすることができました。
[spacer]なお、この釣行では4度のバラシがありました。当初はニュートラルな状態のシーバスを無理にバイトに持ち込むパターンゆえにバラシが多いのだろうと割り切っていました。しかし、その後の釣行も含め、いろいろとを試すうちに、僕なりにさまざまなことが分かってきました。要点をまとめると以下のようになります。
●ロングロッドはバレにくく、さらに大きな8の字を描ける。
●ショートロッドではシャープな8の字を描くことができ、他にもS字を描くなど、細かく複雑な動きを演出できる。
●柔らかいロッドの方がバレにくく、落ち着いてやり取りができる。
●硬いロッドの方がしっかりアクションさせることができ、フッキングが決まりやすい。
●ラインの長さ(ティップからルアーまでの距離)は短い方がしっかりとしたアクションが演出できる。
●ラインの長さ(ティップからルアーまでの距離)は長い方がバイトを弾きにくい。
以上、タックルを選ぶ上でいずれも一長一短がある検証結果が出ました。まあ、検証せずとも想像できる結果でしょうが、ここから僕が導きだした理想(妥協?)のタックルバランスは以下の通りです。
●ロッド…長さは9㌳後半。これ以上短くなると取り回しはよいものの演出できる8の字の規模が小さくなり、しかもフッキング直後にバレやすくなります。逆に長くなると食わせるための複雑なパターンのルアー操作ができずに疲やすいというのが難点です。パワーはMまたはMLMがおすすめ。ビッグベイトを操るには最低でもMHが必要で、バラシを軽減するためにはLということになりますが…ここは完全に妥協です(笑)。
●ライン&リール…ラインはブレイクされない程度の太さでOK。また、8の字を描く際はバラシを防ぐためにビッグベイトを高速で操作することになります。このとき、よりしっかりとしたアクションを演出するにはラインの長さ(ティップからルアーまでの距離)を30~50㌢と短めに設定する必要があります。ただ、短いとヒット直後にバレることも多いため、フッキングを決めたら瞬時にラインを出し、一旦魚との距離を取るのが得策です。それを実践するにはベイトリールでクラッチを切るよりも、レバーブレーキつきのスピニングリールで操作した方が早いと感じています。
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