【Catch of a life time vol.3】続・パープルヘイズデザインが明かす浦戸湾アカメゲームの真髄 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【Catch of a life time vol.3】続・パープルヘイズデザインが明かす浦戸湾アカメゲームの真髄

アカメゲーム 浦戸湾1

アカメ釣りが楽しめる高知県へは他府県から数多くのアングラーが訪れます。アカメという夢を追いかけるのは本当に素晴らしいことですが、それによりさまざまな問題が浮上しているのも事実。そこで今一度アカメ釣りの歴史と経緯をみなさんに理解していただきたいと思います

Text & Photo 弘瀬伸洋

現在、高知県でアカメ釣りができる経緯と理解

アカメの主な生息地として有名なのは、高知県と宮崎県の2県です。そのうち宮崎県では平成18年3月23日付でアカメが希少野生動植物保護条例の対象に指定されたことにより釣りが禁止されました。これを破ると罰則があります。そして同年、高知県でも同条例が施行されることが決定し、宮崎県と同じくアカメ釣りが禁止になる窮地にあったことをご存じでしょうか? 保護種指定が目前まで迫り、釣りや飼育はもちろんのこと、アカメに触れることすら許されない。そんな悲しい未来が現実になろうとしていました。

この危機を何とか脱するために、1人の釣り人が県に対して異議を唱え行動を起こしました。これにより釣り人をはじめ、アカメという魚に関心を持った人たちが協力し合い、まず不可能だと思われた保護種指定の撤回を実に約7年もの歳月をかけて成し遂げました。このような経緯があり、高知では現在も堂々とアカメ釣りを楽しむことができます。

しかしながらアカメは日本にしかいない固有種であり、全国的な分布から見ても生息域は狭く、希少な魚であることに間違いはありません。その点を踏まえてもアカメ釣りが楽しめる高知は大変恵まれた環境であるといえます。そして、魅力あるアカメ釣りだけに近年は人気が急上昇し、今までになく大勢の釣り人が高知まで遠征にこられるようになりました。それに伴い、駐車場所の問題や騒音に対する苦情、地元漁師さんとのトラブルなど、さまざまな問題点が浮上してきました。

アカメを愛する釣り人が必死に訴えかけて協力の輪が広がり、多くの時間と惜しみない努力が実を結んでやっとの思いで残すことができたアカメ釣りです。釣り人のマナーやモラルの問題で大切な釣り場がなくなってしまうことは

絶対にあってはなりません。このような現状を深刻に受け止め、地元の釣り人を中心としたコミュニティー「高知のアカメ釣りを未来に残そう!!」が発足しました。

現在、アカメは全国的には希少な魚ですが県内沿岸部では身近に見られます。高知県では、高知県レッドリストの改定により2017年10月をもってアカメは「高知県の自然を代表する魚種」として注目種に指定され、県の働きかけとして高知県林業振興環境部環境共生課を中心にキャッチ&リリースの促しなどを行なうまでに至りました。

アカメゲーム 浦戸湾2
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一見自由な「釣り」という世界観の中で社会性が求められている…。高知に足を運ぶ際には、ぜひアカメ釣りができるようになった経緯と理解を胸に納めて臨んでいただきたいと思います。

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