【VSキハダマグロ】高知沖キャスティングの可能性 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

【VSキハダマグロ】高知沖キャスティングの可能性

本命を目の当たりにして闘志が再燃

そして今年の7月中旬、「漁新丸」(高知市灘漁港)の福留船長にカツオを狙いながらキハダを捜すという要望を聞いてもらって沖に出た。非常にシビアな釣況であったが、同行の山下氏と岳田氏がカツオとキメジをキャッチ。それからほどなくして、遠くで大きな水飛沫を上げて飛び跳ねるキハダマグロの姿が目に飛び込んできた!! 船長もそれに気づいてすぐさま船を走らせた。

ナブラはすぐに沈んでしまったが、キハダはまだ周辺を回遊しているはず。そう考えてダイビングペンシルによる誘い出しを試みたが、キハダからのコンタクトはない…。「必ず反応するヤツがいるはず!!」と信じてキャストを繰り返していると、突然大きなキハダがルアー目がけて飛び出してきた。ルアーが着水して最初のアクションを加えた直後のことであった。私はとっさに身構えたが、キハダはルアーに触れることなく海中へと消えていった。一瞬のできごとに茫然としたが、久々にキハダからのコンタクトを得てフツフツと闘志が湧き上がるのを感じた。

誘い出しでヒットに持ち込んだものの…

2週間後、先日のキハダマグロの姿が忘れられずに再び沖へ出た。この日は一級船舶免許を取得して3カ月、若干20歳の山中君を誘っての釣行である。抜群のナギの中、寝不足の目をこすりながら夢に向かって船を走らせた。

ポイントに到着すると、無数のオキゴンドウクジラに遭遇。イルカよりも少し大きな小型のクジラで、丸い鼻先とゆったりとしたスピードで泳ぐ姿が印象的だが、これだけの数が集まっているということはベイトとなるイワシやイカなどがたくさんいるのだろう。遠く離れた場所ではニタリクジラも潮を高々と噴き上げていた。しかし、カツオやマグロの存在を知らせてくれる海鳥の姿が見当たらない。しばらく海の様子を観察したが、キハダマグロの気配が感じられなかったのでさらに沖へと向かうことにした。

30分ほど走ったところで海鳥の大きな群れに遭遇。鳥たちは海面で休んでいるが、「これは何かある…」と感じた。ベイトがたくさんいて餌にありつくチャンスがあるからこそ、海鳥たちはここから動かないのだろう。そう考えて我々もここで待つことにした。

波に揺られる海鳥たちを見ていると思わず睡魔に襲われる。しかし、突然数羽の海鳥が飛び立ち、一気に眠気が吹き飛んだ。次々と飛び立つ海鳥たちが向かう先に目をやると、海面から大きな水飛沫が上がっていた。キハダマグロだ!! すかさずタックルを手にしてナブラに向けて船を走らせた。

キハダが飛び跳ねる光景は何度見ても圧巻である。これを見るだけでも沖に出る価値は十分にある。その光景と唸りを上げるエンジン音が相まって自然と気持ちが高揚する。これぞキハダゲーム、これぞ土佐のビックゲームだ!!

我々の期待をよそに船を寄せたところでナブラが沈んだ。船を警戒してというよりもナブラが発生する時間自体が短いようだ。いずれにしてもナブラが沈んだことでキャストのタイミングが取りづらくなったので誘い出しで狙うことに。まだこの下にキハダマグロがいるはず。そう信じて丁寧かつしっかりとペンシルをダイブさせる。すると、何の前触れもなく海面が弾けて何かがヒット!! シイラか? それとも本命のキハダマグロか!?

掛けた直後は魚が走らなかったのだが、徐々に加速してロッドティップが小刻みに振動するマグロ特有の走りを見せた。キハダマグロだ!! しかし、こちらに向かって走ってきた途端にテンションが抜けた。合わせの甘さが仇となり痛恨のフックアウト…。実に6年ぶりのヒットをモノにすることができなかったショックは大きかったが、気持ちを切りかえて次のチャンスにかけることにした。

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