魚の本能を刺激する波動ローテーション術【ショア青物ゲーム編 PART2】
青物を攻略する上でルアーの波動が重要となることは【ショア青物ゲーム編 PART1】で紹介した通り。では、実際にそれをどのようにアプローチに取り入れるのかというと…
解説:本林将彦
ターゲットにとって魅力的な波動のパターンとは?
青物を攻略する上でキーポイントとなるのが波動パターンだ。人間もたくさんの音や振動に包まれて生活しており、その中で無意識のうちに自分を呼ぶ声や危険が迫っていることを知らせる音と振動のパターンを感知している。
魚もこれと同様で波の大きな音や船のエンジン音、他にもさまざまな大きな音や振動が飛び交う水中で、自分たちが求める「餌らしきもの」の波動パターンを感知しているようだ。
また、アングラーもロッドに伝わる海藻を拾った感触やジグがボトムにコンタクトする感触は冷静に感じているが、ひとたび生命感溢れる魚の波動を感知すると、思わずフッキングスイッチが入ってしまう。これは魚でいうところのバイトスイッチと同じだと考えている。
では、フィッシュイーターにとってはどのような波動が魅力的なのだろうか? 普段(平静なとき)のベイトはほとんど尾を振らず、波動をそれほど出さずにスーッと泳いでいる。しかしベイト自身が捕食したり、フィッシュイーターに襲われたときなどは激しく泳いで強い波動を発する。この「群れの波動パターン」は釣りのターゲットだけではなく、イルカやサメ、クジラまで寄せる力があるようだ。
ただ、残念ながらルアーでは群れの波動が演出できないため、アクションを演出する際は以下のことを意識する。
①追われてパニック状態となったベイトが発する波動パターン(ターゲットが高活性なときに効果的)。
②傷ついたベイトの断末魔的な波動パターン(メスレ状態のベイトを演出。ターゲットからするとラクに捕食できるタナボタ状態でとても魅力的となるようだ。集魚力が強くバイトスイッチを誘発する効果もある万能パターンで大型魚に効果的)。
③ベイト自身が餌を捕食する際の素早く尾を振る波動パターン(②と比べるとバイトスイッチを誘発する力は劣るが、ターゲットがベイトの存在を見つける際にはこの波動を最も多く感知していると推測できる。スピーディーかつ連続アピールが可能なので広範囲を素早く探れ、ルアーの位置が明確なのでフッキング率が高い)。
④平静時のベイトがときおり見せるヒラ打ちパターン(魚がルアー付近にいるときにリアクションバイトを誘発できる)。
⑤仲間のフィッシュイーターがバイトする大きな波動パターン(集魚力、バイトスイッチ誘発力が意外に強い)。
⑥仲間がルアーにヒットして大暴れしている際の波動パターン。
⑤、⑥のパターンを演出するとなるとそれほど大きなルアーは使えない。しかし、80㌢以上の青物でも俊敏な動きで細かい波動を出しているようだ。実際に大きめのダイペンではこの波動パターンを演出できているようで、意外と効果的なので試してほしい。
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