【欲張りショアラーのツボR vol.3】盲点を突く夏のリバーヒラスズキゲーム
今回は渇水+クリアな水色の夏の河川でヒラスズキを狙ってきました。当然ながら条件的には厳しいパターンですが、それを逆手に取れば利点もいくつか見えてきます。果たしてそんな盲点を突くチャレンジの結果は…!!
Text & Photo 山本典史
[spacer]先日、友人から「急ですが、今週末に和歌山へ行けば一緒に釣りができますか?」との連絡が。電話の相手は福井在住の若きアングラー、橋本君でした。彼の要望を聞くと「デカいヒラスズキが釣りたい!!」とのこと。突発的に真夏の和歌山にやってきて、良型のヒラスズキとはかなり無茶なリクエストです。磯はベタナギで河川は渇水+クリアな水色。さて、その中でどうやって結果を出すか?
夏のヒラスズキ&マルスズキ狙いはリバーゲームが定番で、磯はやはり厳しいものがあります。デイゲームが中心となるため、ベイトや波などの条件が揃ったとしても、猛暑による熱中症の危険性があるのでおすすめできません。一方、河川は濁りと増水という状況が揃えば比較的高確率でヒットが期待できるものの、そうでない場合は…。ただ経験上、「そうでない場合」をうまく逆手に取ることができれば、グッドサイズのヒラスズキに出会える可能性もあります。みなさんは意外に思われるでしょうが、今回はそんな盲点をつくパターンをご紹介したいと思います。
[spacer]夏のリバーゲームの盲点
夏に河川や河口でヒラスズキを狙う場合、前述したように増水と濁りが好条件となります。しかし、渇水&クリアという悪条件であっても高水温期は河川絡みのエリアなら水温が他のポイントよりも低いため、魚にとっては居心地がよいというのも確かです。また、基本的に川魚は一度海に出て他の河川を遡上するといったことがないため(ウグイやウナギの例外は除く)、フィッシュイーターにとっては安定した餌場になっているという点も見逃せません。
それと、ヒラスズキのリバーゲームの攻略パターンが確立されるにしたがい、渇水&クリアは悪条件ということが広く知られるようになりました。これによりメジャーな河川であってもそのような条件のときはアングラーの姿を見かけません。つまり、ライバルがいなくてポイントにプレッシャーがかかっていないということになり、今回はその盲点を突くパターンで挑むことにしました。渇水&クリアの状態が長く続くほど魚の活性が下がるものの、アングラーがこないのでフィッシングプレッシャーが解消されます。要するに食い気はないものの、フレッシュな個体を狙えるといことになります。
流れが緩むポイントをじっくり攻めると…
さて、釣行当日は深夜に橋本君と合流し、和歌山を南下して某河川に到着。ここは誰もが知るメジャー河川でヒラスズキとシーバスとが混生する場所です。橋脚と明暗が絡む1級ポイントは橋本君にまかせ、僕はその下流の流れが緩むポイントをじっくりと攻めることにしました。予想通りに他のアングラーの姿はありません。ただ、貸し切り状態であっても魚に過度なプレッシャーを与えることを避けるため、二手に分かれて攻めるのが望ましいと判断しました。
まずはタイトアクションのルアー(モアザン ウインドストーム135F・マットライトニング)を選択。これをドリフトさせながらゆっくりとトレースします。着水音に気を配りつつ、上流から下流へとトレースラインをかえながら静かに攻めていくと、流れがまったく効いていないポイントで明確なアタリが!! しっかりとフッキングを決め、慎重に寄せてきてキャッチしたのは60㌢クラスのヒラスズキでした。ここで橋本君の状況を確認すると、一度アタリがあったものの空振りだったとのこと。この時点では状況的に僕の攻めているポイントと大差がなさそうだったので、再度二手に分かれて攻めることにしました。
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