オフショアゲーム・勝利に導くシグナルとは?【スローピッチジャーク編】
《VSカンパチ・ハタ類》 追い詰められたベイトが溜まる潮の壁は絶好の狙い目となる。アプローチ時の抵抗の変化から潮目の位置を察知し、スローで瀕死のベイトを演出しよう‼
解説:小中孝浩
ターゲットの基本情報
私は黒潮が流れる本州最南端の潮岬をホームグランドにジギングを楽しんでいる。この海域の特徴は何といっても日によって大きく変化する潮流の速さ。前日までほとんど流れのなかったポイントが、翌日には5㌩以上の激流と化すこともある。そのため潮流のよしあしが釣果に密接に関係する。
適度な流れに恵まれた日は爆発的な釣果が出ることもしばしば。このタイミングを逃さないことが潮岬を攻略する上で重要なファクターの1つとなる。しかし実際のところ、年間数十回と通い込んでもいい潮に当たることは滅多にない。悪条件をいかに攻略するかがこのエリアの醍醐味でもある。
例年、7~9月ごろは黒潮の接岸とともに姿を現わす産卵を控えた大型カンパチがメインターゲットとなる。他にもマハタ・スジアラなどの大型ハタ類も狙い目だ。
[spacer]「引き抵抗とフォールスピードの変化=潮流の変化」ととらえる
釣行前にはインターネットや船長から黒潮の情報を入手するように心がけている。通常では、潮岬周辺は黒潮本流からの分岐流が差している状態にある。この状態が一般的にいう下り潮だ。この潮が効いているときは黒潮独特の濃紺色の潮色となり、潮流は速くて水温の変動も大きい。そのため必然的に上層の潮が走って二枚潮の状態が連日続く。
この状況下で釣りを組み立てていくには、まずは操作するジグからその日の海況を感じ取ることが重要となる。釣りの最中にジグの引き抵抗やフォールスピードの変化を感じることがあると思う。それは海中の潮目であったり、何かしらの潮流の変化が起こっている証拠である。
これを感じることができれば変化のあった場所を、リーリングの回数やPEラインのマーカーを目安に覚えておきたい。カンパチ狙いの場合はベイト反応と地形、潮流の変化があった場所を組み合せて考えるとおよそのヒットポイントを絞ることができる。
イワシなどのベイトは基本的に潮目に沿ってつくことが多い。つまり、カンパチにとっては潮目付近が絶好の捕食ポイントとなるわけだ。イワシなどの小魚類は外敵から真っ先に狙われるターゲットとなる。前述の通り、潮岬の潮流は非常に速く、ときには潮目が壁のような状態になる。その壁にさえぎられて逃げ場を失ったイワシはベイトボールを形成する。そこにカンパチが突進し、パニック状態で逃げ回るイワシは潮目の壁に激突して流されて失神。ときには死んでしまうと聞いたことがある。
というわけでスローピッチの基本コンセプトともいえる瀕死の状態を演出するアクションをメインに使用し、変化のあったレンジを中心にフォール主体で探るように心がけている。
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