誰も知らない「裏時合」到来の傾向と対策【エギング編】
濁りの中でターゲットを引き寄せる要因とは?
もうひとつ、濁りに絡んでコアタイムといえる時合に遭遇したことがある。同様に河口を控えた大きな漁港で、大雨による濁流が湾内一面に入ってから2日が経過し、表層から濁りが取れだしたといった状況だった。閉鎖的な海域なので潮の動きによって濁りが薄まるというのではなく、しだいに沈殿していくといった具合であり、水面下2㍍まではクリア、その下は濁っていた。
本命ポイントのディープでは反応がなく、いつもは釣果がある場所も濁りが溜まっていたので手を出さなかったのだが、帰り道にチョイ投げでボトムまで餌木を沈めてみた。そして、水面まで一気にショートピッチでシャクり上げると、濁りの中からアオリイカがボコボコと浮き上がり、先を争って餌木を抱きにきた。先端に残っている仲間を呼んでも声が届かず、抜き上げに手間取ったのでシャローまで戻って浜にズリ上げ、またポイントに戻ってヒット、ということを繰り返して7ハイほどをキャッチした。
濁りがある場合、スローな釣りで寄せるのが常道であるが、このときの釣況から激しいシャクリによって餌木が発する波動やラインの振動(ロッドの風切音ではない)が、視界の効きにくい中でアオリを引き寄せるのに有効なのではないかという結論に行き着いた。
それとは別に、秋の台風後に日本海へ釣行したときに、外海は一面が茶色く濁っており、漁港の奥だけは濁りが薄いという状況があった。このとき、内向きで竿を出して水面で餌木をピチャピチャとやっていると小イカが浮いてきた。そこで餌木をスーッと沈めてやると抱いてきた。沖向きでキャストするものの釣れていない仲間をよそに、ヒットさせるまでに時間はかかるものの独り舞台といってよい釣況を楽しむことができた。前述の波動と同様に、静かな場所であればフィッシュイーターを引き寄せるのに波紋が有効であると確信した。
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