SUP & ボート、シュートジギングでヒットのソースを求める!! | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【WINDING TRAIL vol.2】SUP & ボート、シュートジギングでヒットのソースを求める!!

SUPフィッシング シュートジギング1

超マニアックなライトジギングといえるシュートジギング。この釣りの魅力はターゲットと対話するように楽しめる部分であり、「1匹へ繋がるプロセス」を大切にするスポーツフィッシングアングラーにとってはワクワクするような可能性を秘めている…

Text & Photo 新名啓一郎

魅惑のシュートジギング

個人的にアジフライには「金蝶ソース」がよく合うと思っている。長崎の皿うどんにかけるソースなのだが、ピリッとスパイシーでサラッとしているため、揚げたてのアジフライにかけるとジュッと染み込んで最高の食味となる。他にもアジフライは島ラッキョウやタマネギを和えた自家製タルタルソースともよく合う。

…と、いきなり変化球でスタートしたが、我々が愛して止まないシュートジギングには、それとは別の意味の「釣りを楽しめるソース」がある。

「シュートジギングとは何ね?」と聞かれれば、簡単にいうと超マニアックなライトジギングということになる。その昔、カヤックフィッシングの亜流という感じでSUPフィッシングがスタートしたのだが、ある日、SUPフィッシングを楽しんでいた我々は別府川と鹿児島湾の交差点で悪魔と出会い、ワンハンドパドルによる「ノーズアップ」という不思議なテクニックを教わった。それは「ノーズアップとフィッシュファインダー」がクロスしてターゲットとアングラーの脳天を直結するアプリケーション、「シュートジギング」へと昇華した瞬間だった。

SUPフィッシングでボードが風や潮に流されないよう、片手パドルで操舵しながら魚探の反応へバーチカルに落し込んで釣るのがシュートジギング。「見て釣る釣り」であり、魚探の反応を見てそこへダイレクトにジグを落とし込み、魚探に映る魚の反応とジグの動きを追いながらアプローチする。魚のご機嫌を伺いつつジャーク、アクション、スピード、フォールなどを考えて釣りを組み立て、ヒットに持ち込むのである。

魚探で発見したターゲットに狙いを定め、ヒットに持ち込むまでの駆け引きを楽しむ…。まさに「射って狩る」という感覚を味わえるというのがシュートジギングの名前の由来だ。

SUPフィッシング シュートジギング2

ベイトの群れについているアジは素直に反応してくれる楽しいターゲットだ。ヒットパターンが多彩な点もこの魚の魅力である。

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SUPフィッシング シュートジギング3
SUPフィッシング シュートジギング4

朝イチに釣れたヒラメ。シュートジギングでベイトの群れをダイレクトに狙うとこんなターゲットもついている。

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ライトジギングをややこしく楽しむ

最終的には魚と繋がり、ランディングすることが目的の釣りだが、我々スポーツフィッシングアングラーにとって重要となるのは「1匹へ繋がるプロセス」を大切にすることであり、「先進タックルで挑む人間 VS 裸一貫の魚」はどんなビッグゲームであったとしても、所詮は弱い者いじめである。

一見すると普通のライトジギングで、手軽で簡単そうに見えるのだが、ターゲットの生態とリンクさせると底知れぬ奥深さを有する。1匹に一喜一憂できる楽しさがあるのだ。ターゲットとの関わり方をもっと深く考えて対策を煮詰め、ライトジギングをややこしく楽しもうというのがシュートジギングの真の狙いである。

同じようなジャークで誘ってもロッドティップの微妙なタッチでターゲットの反応が異なり、ヒット率が随分かわる。狙う魚種やターゲットの活性によってジャークを合わせることもできる。とにかくシュートジギングのおもしろさはターゲットと対話するように釣ることができる点にあり、私自身はその「チョットだけでも魚のことを分かってやった感」にメロメロなのである。

SUPフィッシング シュートジギング5

シュートジギングはさまざまなターゲットが釣れる楽しい釣法である。ターゲットを特定してジャークパターンを変化させるというおもしろさも味わえる。

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嘘がないからおもしろい

改めてルアーフィッシングの現状を考えてみると、「いや~、このルアーにして一発でしたね‼」とか「このカラーがやっぱり一番釣れるよね‼」というような定型句の裏には現状のイカンところがチラチラと見え隠れするわけで…。

私は1周回って好きなのでよく真似をするのだが、ソースが見えない定型句は、正直賢明なアングラーにとっては「聞き飽きた感」も強いと思う。ロケーションやタックル、ターゲットのコンディション、タイミングなど、さまざまな要因を考えれば、先っちょについてるルアーだけでは再現不可能なことは明らかなのである。では、なぜ役者をかえながら何世代もこの通例が続いているのかというと、それを「否定できるソース」がないのも原因の1つといえる。

その点、シュートジギングはジグの軌道や魚の動きもすべて見える。したがって単なる偶然か、テクニックで口を使わせたのかを魚探のファインダーを通して確認することができ、「嘘がない」という点がまたおもしろいのである。

ジャークパターンやフォールスピードの緩急による反応の違いが分かる。たとえば「こんな反応があった場合、その魚はジャーク後に少しフォールを織り交ぜれば好反応を示す」とか「この水深から追ってこなければ止めで口を使う」や「こんなベイトの反応だったら底切りはこのぐらいのスピードでどれだけ巻くと近くにいるターゲットが興奮する」といった具合だ。

魚探で魚との距離感をうかがいながら即対応できるし、アングラーの「問い」に対するターゲットからの「答え」もファインダーを通してリアルタイムで確認できる。つまりそれこそがこの釣りの「ソース」となっているわけだ。アングラーがその経験を蓄積することで攻め方の引き出しが日に日に増える…、いや、正直「分速」で増えることもザラにあるのだ。

SUPフィッシング シュートジギング6

アカカマスがベイトの群れに突入してきた。刺し身や一夜干しでいただくと非常に美味で人気のターゲットである。

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SUPフィッシング シュートジギング7

ファストリトリーブから変化を演出してヒットに持ち込んだマダイ。食わせのパターンは魚探のファインダーを見たアングラーの想像力しだい。つまり無限大である。

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