【SHORE SNIPER vol.6】磯のヒラスズキゲーム・ベイトによる反応の違いを実感
4月の釣行はいずれもサラシの中でヒラスズキがボイルする好況に恵まれました。その中で一見すると同じような状況でもルアーやアクションでターゲットの反応がまったく異なることを身を持って体験でき、非常に勉強になりました
Text & Photo 大野 祐
[spacer]春の好況を満喫
春らしく水温が15度前後で推移し、フィールドではさまざまなベイトも見られて海の機嫌がよかった4月。ありがたいことに釣行のたびに魚の反応を得ることができました。
まずは4月上旬の釣行から。この日は現地で数人の釣友と合流して夜明けとともに磯にエントリー。波気は十分にあってサラシが一面に広がり、ヒラスズキを狙うには絶好の条件でした。
そして、期待通りに日の出からヒラスズキがルアーに好反応を示してくれました。バラシが多かったものの、10バイト以上の好況でその場にいた全員が魚を手にすることができました。私も最後にその立ち位置から投げさせてもらうと、予想していなかったヒラマサがヒット!! 最近は何度もラインブレイクさせられていましたが、今回はヒラスズキタックルでも何とか太刀打ちできるサイズだったので無事にキャッチ。今月もヒラマサを手にすることができたことと全員安打の満足感もあり、この日の魚の反応やヒットパターンなどについてはあまり深く考えませんでした。しかし、その後の釣行では今までおぼろげに意識していた考えがより明確になるできごとがありました。
[spacer]ルアーに対する反応のシビアさを痛感
4月中旬、この日も適度に波気があって日の出からサラシの中でヒラスズキがボイルを繰り返していました。キャストが決まれば魚の反応が得られ、私は数匹のヒラスズキをキャッチすることに成功。しかし、釣友は同じ立ち位置から投げてもまったく反応が得られません。使用ルアーもほとんどかわらないのに何がいけないのでしょうか?
[spacer]釣友の釣りを観察すると、どうやらリトリーブが速いことに原因がありそうでした。というのも、ヒラスズキはイワシも捕食していたものの、数㌢ほどの大きなゾエアやメガロパ(カニの幼生)をたくさん食べていました。そして、遊泳力の弱いベイトは流れに逆らうことはできないので、ヒラスズキも流れに漂わせるような、ベイトライクなアプローチには反応を示しますが、自力で泳ぐようなルアーには見向きもしないというのが私の見解でした。以前から素速い動きよりも潮になじんで漂うようなアクションに好反応を示すことが多いと感じていましたが、この日は特にそれが顕著でした。
数日後の釣行もヒラスズキがサラシの中でボイルを繰り返す好況でときおりサヨリが飛び回り、ヒラスズキもヒラマサもそれを追ってボイルしているようでした。魚が見えているので当初は「今日も釣れるだろう」と安易に考えていましたが、これを見事に裏切られる釣況になりました。
前回の釣行で反応のよかったミノーを漂うように流しても無反応。ルアーのサイズやカラー、レンジをかえても食ってきません。ときおりサヨリが跳ね飛ばされるようなボイルが出るので魚がいるのは確かなのですが…。
バイトがないまま2〜3時間が経過して引き潮に転じ、ミノーやシンキングペンシルでは海藻に邪魔をされて釣りづらくなってきました。そこでトップウォータープラグにチェンジすると、これまで無視され続けていたのが嘘のように1投めから激しくチェイスしてきました。2度のミスバイトを経て3度めのバイトでガッチリとフッキング。キャッチしたのはわずかにランカーに届かないものの満足できる78㌢でした。いずれにしてもミノーやシンペンでは無反応だったのに、トップにかえた途端に頭から丸飲みするように激しくバイトしてくるという、ルアーに対する反応のシビアさを痛感させられた釣行でした。
[spacer]スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。