スローを極めて攻め手を拡大【完全無欠の食わせ術】《PART1》VSガシラ
手軽に狙えて癒しの釣りを体験させてくれるガシラ。アプローチではスローを意識することで数やサイズが期待でき、ゲーム性が大きく広がるから…
解説:井沢康浩
スローメソッドの有効性
身近な堤防や消波ブロック帯、地磯などで狙えるガシラは根魚ゲームの入門魚としても格好のターゲットである。しかし、納得のいくサイズや数を求めると、スローを意識したテクニカルなメソッドが要求される。
ガシラがメインベイトとしているのは甲殻類だが、もちろん目の前を通過する小魚も捕食する。そのため、スピードとレンジを意識したリトリーブやボトムバンプ、もしくはリフト&フォールを駆使してバイトに持ち込む。
本来、ガシラは目の前にストンと落ちてくるルアーに対してリアクション的にバイトしてくるイメージが強い。しかし、産卵を終えて体力の回復を待つタイミングや、潮の流れが緩いとき、照度が高い時間帯はスローな釣りが有効となる場合がある。いずれにせよバイト時の射程範囲が狭いので、ルアーを止めて食う間合いを与えることの必要性を意識したい。また、多くの人が持つリアクションバイトでしか食わないという固定観念にとらわれず、スローを意識したメソッドにも果敢にチャレンジしてほしい。
スロー領域の考え方
リアクションでの反応が薄い場合にスローなリグ操作を意識する。ガシラは動きがスローなのでボトムで動き続けるものを延々と追うようなことはしない。そのため、ボトムを意識したボトムバンプ、リフト&フォール、ボトムステイで口を使わせる。いずれもフォールスピードをコントロールすることで食い渋るガシラをヒットに持ち込むことができる。
●ボトムバンプ…メタルジグによるフォールと上方向のアクションを重視したメソッドを「ファスト」とするなら、トーン、トーンとリズミカルにボトムをたたくスピードを「ビットスロー」ととらえる。アフタースポーンの個体など、体力を回復させるために口を使うが、バイトが浅い場合に試すパターン。魚の反応に合わせてボトムをたたくテンポを調整する。
●リフト&フォール…ルアーを大きくリフトして、そのぶん長くなるフォールでサミングを用いてユラユラと落とすパターンを「スロー」ととらえる。ガシラは普段消波ブロック帯の隙間やボトム、障害物に張りついており、夜行性が強い魚だ。そして、照度の低い朝夕のまづめどきがプライムタイムとなる。そのタイミングではボトムから離れていることも多く、ワームを大きくリフトさせた後のフラフラと落ちるスローフォールに好反応を示す。
●ボトムステイ…フォールで底を取り、次のリフトまで時間を置いてステイさせる。その間、ボトムのルアーは潮流を受けてテールが動き、これがよいサソイになる。ガシラのように典型的な待ち伏せ型の魚にはフォール後のステイも非常に有効だ。
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