磯のヒラスズキゲーム・厳寒期のテクニカルノート【PART3 ハイテンポシューティング】
潮流のきいたシャローのシモリ回りが本命。巻き速度の調整で一定のテンションをキープし、シモリ上層をくまなくチェックすれば…‼
解説:星野大輔
マイスタイル
西高東低の気圧配置によって北西風が吹き荒れて風波が発生し、それがシモリなどのストラクチャーに当たってサラシが広がる。そのサラシに向かって風を切り裂くようにロングロッドを振る…。この爽快なシチュエーションこそがヒラスズキ釣りの醍醐味といえるだろう。そして、狙い通りにヒラスズキのヘッド&テールが見えた瞬間は寒さも吹き飛ぶほどの快感を得られる。
春のように大場所で展開する心地よいゲーム性と比較すると、冬場は修行の様相を呈する。ヒラスズキも餌を追いかけ回すほどの体力はなく、障害物に潜んで一撃必殺で捕食する。そんな根魚のようなヒラスズキを捜してテンポよくストラクチャーを探り歩ける北西面のシャローポイントがメインフィールドとなる。
エリアの絞り込み方
これからの時期、狙い目となるエリアを絞り込むために以下の3つの条件を目安にしている。
●風や波が当たる…サラシは風やウネリによる波が岩やシモリに当たって発生するため。
●潮通しがよい…潮流はターゲットのやる気の源。
●岩やシモリが点在している…ストラクチャーがなければ、忍者捕食型のヒラスズキは餓死してしまう。
ポイント考察
ポイントのよしあしを判断する際は以下の3点を基準にしている。●サラシ…サラシの必要性は説明するまでもないが、特に持続性があり、のびる(広がる)サラシかどうかを重要視している。これは波のピッチが早くて常に白くなっている状態で潮が動いている目安にもなる。
●潮色…細かな部分はまだまだ勉強不足だが、緑色がかった薄い潮色の場合は低水温でベイトが少なく、ヒラの活性が上がりくいと考えている。1年を通して最も水温が下がるタイミングではあるが、その中でも水温が上昇すれば青い潮色となり、ベイトが活発に泳ぎ回ってヒラの活性も高くなる傾向がある。
●安全性…安全な条件を選んで釣行しても、実際に現地に着くと状況が変化しているケースも多い。少しでも危険を感じたら、迷わずポイントから離れる決断が必要だ。
また、潮位によってはベストポイントに入れないこともあるが、絶対に無理は禁物。無理をしたところで恐怖心が芽生えて釣りに集中できず、釣果に恵まれないことがほとんどだ。逆に「もう少し波があれば…」と感じるときの方が、釣りに集中できて好釣果が上がることも多い。私自身、この点についてはていねいな釣りができるかどうかを判断基準にしている。
なお、雨後などで山肌から石がコロコロと落ちてくるようなときも釣りを控えるのが賢明である。
ポジショニング
潮流がきいたサラシを攻めることができ、なおかつランディング可能なポジションを選択する。ここで注意したいのは、実釣中に潮位が低くなって前に出られる状況になったとしても、本命ポイントはさらに遠くのサラシになるので意味がないということ。潮位によってポイントは常に変化することを頭に入れ、無理をして前へ出る行為は控えよう。
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