ショアジギングでブリ13㌔!! 地磯での大型青物の時合を考察|【ショア大型青物への道 vol.21】
長年に渡り、地元・愛媛県西部の地磯て大型青物を追い求めている私ですが、本命と出会う確率を少しでも上げるために意識しているのは再現性のある時合を探り当てるということ。しかし、ここ数年の傾向を読み解くと、それは決して得策ではないということが分かりました…
Text & Photo 越智信清
一気に春らしくなり、釣りをしていると汗ばむような日もある今日このごろです。とはいえ、依然としてコロナウイルス感染症の心配があり、閉塞感のある日常生活が続いています。そんな中、週末に訪れる海は心身ともにリフレッシュさせてくれます。まだまだ水温が低いので青物はなかなか釣れませんが、そんなときに活躍するのがジグです。というわけで、今回は春のショアジギングについて報告させていただきます。
ショアジギングの時合で注目すべきは潮のタイミング
例年、年末年始には大いに賑わう愛媛県西部の地磯ですが、2月に入ると寒さが一段と厳しくなって水温も下がり、場所取りどころか釣り人に出会うこともありません。2021年もそのような状況の中、ジギングタックルを携えて週末の地磯を釣り歩きました。
春のショアジギングで私が意識していることは、1にも2にも潮のタイミング。釣行できる日が決まれば潮汐予報を確認し、青物の食いが高まるタイミングに合わせて2~3個所の地磯でジグをシャクッて帰宅するといった具合です。
それでも2月中はまったく青物の反応が得られませんでした。そして、3月のとある週末は、夜明けにヒラスズキを狙い、その後に2個所の地磯でジグをシャクる予定で釣行。ヒラスズキ狙いを見事にハズして磯から上がったところで友人と出会い、ヒラスズキをしっかりと確保していた友人と近況を報告し合いました。
彼と別れたあとは予定通りにジギングタックルを持って目当ての地磯へ。すると、タイミングよく狙いの潮目が出現。そこから2時間ほどジグをシャクッたところで潮の流れがかわりました。本来なら期待薄と考えて移動するタイミングですが、ここ数年はどの地磯も魚の食いが立つタイミングに微妙なズレが生じていることを考慮して1時間だけ粘ることにしました。
しかし、魚の反応がないままあっという間に時間が経過。キリがないのでそろそろ切り上げようと思いながらシャクッていると、ロッドがドスンと止まりました。久々にショアジギングのアタリを味わい、興奮しながら魚を寄せます。やがてキャッチしたのは80㌢ほどのハマチ。春のベタナギの海で突然やってくる「ドスン」というアタリは何度味わってもたまりません。
帰路には何年も前に掴んだ時合に固執せず、ひたすら投げ続けることの大切さと、その楽しさをしみじみと感じました。
本来の時合をハズしたタイミングで重量級のブリがヒット!!
翌週の金曜日の夜、自宅で晩酌しながら翌日の釣行計画を立てました。潮汐予想を確認して狙いを絞り、前回にハマチが釣れた地磯で竿を出す前に別の場所で3時間ほどキャストすることに。しかし、朝はうっかり大寝坊。開き直ってゆっくりと朝食を済ませ、予定を変更して前回にハマチが釣れた地磯へ直接向かいました。
山道を歩いて磯へ向かう途中、カモメの鳴き声が多数聞こえてきました。そして、カモメの飛び交う海に向かってキャストを開始し、興奮しながらジグをシャクります。すると、数年前なら完璧と確信するほどのよい潮目が現れた直後、期待通りにロッドが引ったくられました。元気のよい引きを楽しませてくれたのは85㌢のハマチ。うれしい反面、この潮目で釣れる魚にしては迫力に欠ける点が気になりました。
さらにキャストを続けること2時間、潮は納竿したくなるほど期待薄の動きなってしまいました。先週のハマチのこともあるので諦めきれませんが、あまりの潮のわるさに「まさか前回のようなことは…」と思いながら期待せずにシャクります。
ところが、やがてロッドに強烈な重みが乗りました。膝の屈伸で何とか合わせを入れ、さらに膝を使ってリールのハンドルを数回巻き込みます。これにより底付近で掛けた魚の頭をこちらに向けることはできましたが、カケアガリに沿ってラインが入っているため、今にもメインラインが根ズレでブレイクしそうです。ここで弱気になるのは禁物なのでラインを見ないように目線を空に向け、膝を使ったポンピングをひたすら繰り返します。
頭を振る感触からヒットした魚が本命のヒラマサでないことは分かりましたが、すごい重量感なので油断せずにリールのハンドルを全力で巻き続けます。やがてベタナギの海に大きな青白い魚体が見えました。そこから一気に水面に浮かせたのはかなり太い魚体のブリです。
無事にランディングしたあと、磯に横たわったブリを計測すると105㌢、13㌔!! 見事な魚体です。胃の中には大量のイワシが入っており、カモメが飛び交っていた理由が分かりました。
今回の結果から確信したことは…
脂の乗りが最高のブリを熟成させること1週間、刺し身と日本酒を楽しみながらしみじみと考えたのは以下のようなことです。
●ブリを狙うとハマチが釣れ、ヒラマサを狙うとブリが釣れる。それが私の宿命だということ。 ●過去の実績は参考程度にとどめるのが得策だということ。 ●とにかくキャストを続けるのが重要だということ。 ●カモメが群れるにはやはり理由があるということ。 ●大型青物との出会いは一瞬だということ(翌日にはブリの群れもカモメもどこかへ行ってしまいました)。
地元の地磯に長年通い続けている私ですが、数年かけて掴んだと思った再現性のある時合も、はっきりとかわることが分かりました。それは私にとって残念なことではありますが、だからこそおもしろいというのも正直な感想です。地磯の大型青物狙いはまだまだやめられません!!
使用タックル
【ロッド】
ゼナック・デフィ ミュートス DURO 96HHH(RGモデル)
【リール】
ダイワ・ソルティガZ6500H-DF
【ライン+スペーサー+リーダー】
PE5号+PE10号(3㍍)+DMVナイロン80Lb(7㍍)+フロロ120Lb(2㍍)
【ルアー】
AZT・ELDORADO SL 140㌘
【越智信清・プロフィール】
地元の愛媛で10歳のころよりSWルアーゲームに親しみ、学生時代を大阪で過ごしたことから激戦区の紀伊半島で釣りの腕を磨く。帰郷後は「その磯のヌシを釣る」ということをテーマに、1年を通して大型ヒラマサを追い求めている。独自の硬派なスタンスでターゲットに挑み、各種トップウォータープラグを用いた釣りを得意としている。
【ショア青物ゲーム・安全とマナーについて】
※上記のリンク先にある「ショア青物ゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。
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