【追求 コンセプトジャーク vol.1】大型カンパチ狙いで種子島にアタック
恒例となっている種子島への遠征。現地での本命は大型カンパチだが、重要となるのはやはり釣行のタイミングだ。その点で今回は事前情報から大いに期待を膨らませてのアタックとなったが果たして結果は…
Text & Photo 加藤啓之
Day1 波乱の幕開けに…
11月18~20日、鹿児島県の種子島へ釣行した。例年、秋と春にはカンパチを狙って現地へ足を運んでいる。
春は産卵がらみで入ってくる大型の本カンパチ狙い、秋は回遊性の高い本カンパチの新たな群れが島へ入るタイミングであり、これにより居着きの大型ヒレナガカンパチの活性が上がるので両方を狙う。
僕が釣行する1週間前に島に入ったお客さんの釣果や船長からの情報によると、潮がほとんど動かず深場には魚がいなかったようだ。そこで反応の出る浅場のポイントへ回ると大型が入っていたようで、ヒットはしたもののリールのハンドルを負けずにラインブレイクすること数回。さらに、途中でサメにやられて上がってきたカンパチは頭だけで19㌔あったなど、景気のよい情報を入手した。どうやら今回の釣行は新しい群れが入ってくるタイミングとマッチしたようで気合が入る。急遽、1号太めのメーンラインをセットしたリールを2台追加して挑むことになった。
今回の遠征は初日が午後から、2日めは丸1日、最終日は午前中のみの竿出しというタイトなスケジュールだ。それなのに運わるく天候は荒れ模様で初日は北西風12㍍との予報。「まあ、種子島は南北に長いので太平洋岸に出れば北西風が少々強く吹いても釣りは成立するだろう」と前向きに考えて現地へ向かった。
現地に入ると予報より天候が遅れており、猛烈な北東風が吹いていた。その中でさっそくタックルを準備して船に積み込む。その後は港で風がかわるのを2時間ほど待ち、ようやく風向きがかわり始めたタイミングで出港した。
しかし…、いざ沖へ出てみると今まで吹いていた北東風によるウネリと向きをかえた北西風がぶつかるような状況で三角波が出る大荒れの海況。結局、沖へは出たものの1度も竿を振らずに帰港となった。
Day2 数は釣れるものの狙いのサイズが…
明けて2日め、この日は北西風が7㍍から5㍍まで1日を通して落ちる予報だったので、船長と相談して少し早めに出船することになった。
昨日からの北西風は残っているものの、それほどひどくないので目的の沖のポイントへと向かうことに。しかし、北西風を避けられる島影を出ると7㍍どころの風ではなく、体感で15㍍ほど吹いている感じだ。ただ、幸いにも夜中にも吹き続けた北西風により東寄りのウネリはなくなっていて竿出し可能な状況だった。
さっそくアプローチを開始するも反応がまとまらず潮が動かない状況である。ヒットする魚は狙いのサイズとはほど遠い3~5㌔クラス。そんな中、同船者に大型が2度もヒットしたが痛恨のラインブレイクとなってしまった。
ヒットする魚のほとんどが小型の本カンパチだったため、ジグアクションに緩急をつけて少しラインスラックを出すような動かし方で、反応の出るレンジの少し上層まで探る。これでヒットはするのだが「1流しめ・単発・見せたもん勝ち」の展開である。結局、この日は数こそ釣れたもののサイズがのびず、僕はジグ操作の練習などに時間を費やして納竿となった。
Day3 最終日はコンディション良好
最終日はようやく海況も落ち着いて朝から西風6㍍程度。前日には船長がさんざんポイントを捜してくれたのにイマイチな反応ばかりであった。そこで、この日は一発大物狙いということで潮があろうがなかろうが少し深いポイントを狙うことにした。
ポイントに到着し、深場に落ちる肩ごしの140~150㍍ラインを探ることに。魚探に反応がでるところではヒレナガカンパチの7~10㌔がヒットするがこれも長く続かない。前日、前々日と異なるのは本カンパチが1匹も混じらないところだ。ヒレナガは本カンパチよりも根に対する執着心が強く、底から5㍍以内で食ってくることが多いのでジグの速見せ、速巻き&ストップがセオリーとなる。今回もその傾向が強い釣れ方をしていたため、同船者のみんなは底からから10㍍までを探る釣りになっていた。
そんな中、同船者にうれしい外道がヒット。底を5㍍切った後、1/2ピッチの2回めでジグをひったくるようなアタリがでたとのことで上がってきたのはクエだった。自身初のクエとあってかなり喜んでいた。しかし、期待の最終日もこのクエが上がったところで納竿の時間となってしまった。この日はヒレナガのサイズがよくてアタリも多かったため、後ろ髪をひかれる思いでポイントを後にした。
今回の遠征を振り返り、天候には勝てないというのが正直なところだが、潮が動かなくても、アタリが少なくても、自分の釣りをやり切れば悔いは残らないし、次に繋がる釣行となる。ただ、今回はそれを感じられなかったという意味で非常に悔しい釣行となった。
今回ハマッたアプローチパターンと今後の展望
僕の場合、釣れてくる魚や反応の出方により釣り方をかえて状況に対応することを心がけている。そして、今回は小型の本カンパチはキビキビとした動きで少し上層まで誘うパターンに反応がよく、ヒレナガは底付近でジグにキレを出して動かすパターンがアタリを数多くだす秘訣だったように思う。
なお、今後(12月以降)は天候にも左右されるだろうが、餌となるベイトが入りだし、水温が安定してくれば大型を狙えるチャンスも格段にアップするはずだ。
《使用タックル》 ロッド=がまかつ・ラグゼ オーシャン アルメーアB58ML-F、B58M-F リール=シマノ・オシアジガーリミテッド3000HGリミテッド、マミヤOP・マーフィックスBV-4、S5 ライン=サンライン・PEジガーULT 4本組スローピッチジャーク専用3号、4号 リーダー=フロロ14〜18号 ジグ=枝豆ジグMSR300㌘、360㌘(※詳細は枝豆ジグで検索) フック=がまかつ・ジギングフック貫(つらぬき)3/0、4/0
【加藤啓之・プロフィール】
スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。