水温変化と磯のヒラスズキの動向について|【Mr. Perfect vol.7】
磯のヒラスズキ狙いでは16度という水温を目安に冬~春パターンの釣りへと移行する。それぞれ狙い目となるポイントの水深やベイトパターンが異なるから…
Text & Photo:程野 昇
秋磯と冬磯パターンのヒラスズキゲーム
今期の徳島エリアのヒラスズキは秋磯パターンのキーとなるトウゴロウイワシが例年より少なく、ヒラスズキが浅場でボイルする姿を見ることも少なかった。また、トウゴロウイワシが多い年はスピーディーな攻めが効果的となるが、今秋はスロー気味のアプローチが有効だったように思う。
それでも海水温は高い状態が続き、ホームの美波町では12月中旬時点で18度前後。未だシャローエリアにベイトが多い。私が秋磯終了の目安としている水温は16度以下。1日でも低水温になるとシャローエリアのベイトが減り、ヒラスズキのヒット率が極端に下がる。そうなるとキビナゴやイワシ類を意識した釣りに移行し、やや水深のある磯のポイントを狙う。いわゆる冬(春)磯のパターンである。
ゴロタ浜での回遊系ヒラスズキ狙い
12月17日、沖磯で竿を出した上物師から水温が16度台だったとの情報を聞き、沿岸部の状況が気になった。幸い翌日は時間が取れ、適度なウネリもあることから仲間と3人で釣行することに。ポイントに選んだのは秋磯(浅場)と春磯(深場)が隣接する美波町の地磯。2つの磯の間にはゴロタ浜もあり、まづめどきには回遊系の砂ヒラもヒットするという贅沢なポイントである。そのように理想的なポイントは決まってアクセスが困難なものだが、ここも例外ではない(笑)。
釣行当日はこのポイントで初めて竿を出す仲間に回遊系のヒラスズキも釣ってもらいたいと考え、朝まづめはゴロタ浜から狙うことに。まだ薄暗い中で山道を歩き、崖を降りてポイントに到着。適度なウネリが入っており、いい感じの海況であった。波濁りもないので期待できそうだ。
ゴロタ浜で実績のある根回りのポイントは仲間にすすめ、私は離岸流を捜してヒラスズキを狙うことに。回遊系のヒラスズキは日の出直前にベイトを求めて群れで回遊してくることが多い。そして、サラシに限らず流れや地形変化のあるポイントで連続ヒットすることも珍しくない。
さっそく離岸流を見つけてミノーをキャストしていると、「カツンッ!!」とヒラスズキらしい鋭いアタリが。これをヒットに持ち込み、重量感のあるファイトにドラグが鳴って良型であることを確信した。しかし、次の瞬間に無念のフックアウト…。まあ、いつものことである(笑)。
仲間にヒラスズキが回遊してきたことを告げに行くと、すでに小型のヒラスズキをキャッチしていた。その後は全員にヒットがあり、私も根回りのサラシで60㌢クラスのヒラスズキをキャッチ。回遊系らしい銀ピカの美しい魚体であった。その後は70㌢クラスをキャッチしたところで本命の秋磯のポイントへと移動することにした。
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