アジングがさらにおもしろくなるパターンフィッシングの世界《後編》
《前編》ではパターンフィッシングの醍醐味や基本的な考え方を紹介したが、シビアな状況と向き合い続けることでアプローチの幅が広がるのは確かだ。そうやってスキルを磨くことで、極端にいうと自ら時合を作り出すことも可能となるから…
解説:上杉貴人
パターンの正否を判断するには?
《前編》で紹介した釣りは回遊量が少ない状態をメインとしているだけに、パターンの正否については正直なところ「こうだ」といいにくいところはあるが、とにかく思いついたら実行してみることが大切だ。
その中でリグの重さ、レンジ、着水後にどのぐらい巻いた位置でアタリがあったのかなどを常に記憶しておき、再現性を追求する。漠然と釣りをしていたのではパターンフィッシングは成立しない。また、釣友などから聞いたことをマネてみても、カウントの取り方などは人それぞれなので完全に再現するのは不可能だ。やはり自らがきっちりと把握し、そのパターンでの実績を積むことで正否が見えてくるだろう。
ラインの使い分け
軽量なリグを扱うライトゲームではラインがアクションに及ぼす影響は想像以上に大きい。その点を考慮して私はPEとエステルラインを状況に合わせて使い分けている。
●PEライン…最大のメリットは強度があるぶん力強い合わせを入れられること。ノド奥の硬い部分にフックアップさせるにはそれなりのパワーで合わせを入れることとなるため、瞬発的な負荷に弱い通常のエステルラインでは合わせ切れすることも多い。また、PEは浮力があるぶん縦の動きやスローなサソイを演出しやすく、アクションにメリハリをつけやすい。
●エステルライン…ライン自体に張りがあるぶん軽量なリグでも飛距離が得やすい。また、比重が高いので厄介な横風にも対応しやすく、ラインのなじみがよいぶん、横の動きが得意といえる。ただ、PEと比べるとラインが沈むぶんレンジキープのためにリーリングを速めることとなり、スローな動きは演出しにくい。
基本的なアクションパターン
①タダ巻きからの小さなリフト…ゆっくりとリーリングしながらトゥイッチでリフトし、止めてフォール(これを繰り返す)。
②タダ巻き…リーリングでレンジキープしながら、ときおりジグヘッドをフワフワと上下させる。
③リアクション狙いの強めのアクション…ショートジャークを数回入れた後、リーリングやテンションフォールに移行。
①と②は動きの小さいナチュラル、③はハイアピールなアクション。これらの使い分けにはターゲットの活性状況を目安とする。巻きや小さいアクションで食ってくるときは比較的活性が高い。横の動きに追尾するアジに対して動きの変化を加えることで口を使わせる。
一方、③のようなハイアピールからナチュラルへ移行するアクションに反応がよい場合は、アジの活性は低いと考えられる。「アピール力を高めて釣る=高活性な魚を狙う」とイメージしがちだが、ボトムワインドのような反射食いを促す釣り方はニュートラルな状態の魚に対して最も有効な手段といえる。
ラインテンションのキープ
食わせの間となるフォール中は、吸い込みシロを作るために微テンションをキープ。感覚的な部分で表現しにくいが『ラインの重みを感じる程度の張り』をキープするイメージだ。リグの重みが分かるようでは張り過ぎと考えてよいだろう。
そして、「プンッ」とラインが小さく弾かれるような小アタリを掛け合わせればノド奥への理想的なフックアップが決まるはずだ。
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