カスミアジ・GT・イソマグロ…南海のビッグゲームのリアル《前編》
南海のビッグゲームといえどもロケーションやターゲットに合わせたアプローチが必要不可欠。細分化して考えないとゲームが成立しない。さらにフィールドのポテンシャルを存分に引き出して楽しもうと思えば、困難を乗り越える方法を探求するプロセスまで楽しむというスタンスが重要となるから…
解説:新名啓一郎
アプローチの多様化が必要不可欠
私が住む南九州はブリ・ヒラマサ・カンパチなど全国的にもおなじみの青物をはじめ、南西諸島やトカラ海域まで少し足を伸ばせばカスミアジ・GT・イソマグロといった温暖海域のビッグゲームまで射程距離に入る非常に魅力的なフィールドだ。
この海域でフィールドワークは比較的長い方だと思うが、それぞれのターゲットのシーズンは? といった根本的なことから、日帰りショアでGTゲームが可能な島はあるのか? などなど、未だに分からないことだらけである。それも長い間トカラ列島など魚影の濃いエリアで過ごしてきた怠惰のせいで、いわばトカラの中のカワズといっても過言ではない状態であった。
このままじゃつまらないアングラーになると危機感を抱き、近年はスタイルをガラリとかえていろいろなフィールドに赴くようになった。それで分かったのは、今までトカラというすごいフィールドに釣らせてもらっていたということと、ショアという限られた環境ではロケーションやターゲットに合わせたアプローチの多様化が必要不可欠ということだ。
つまり、トカラから離れたらトカラのスゴさが分かり、細分化せずにはゲームが成立しないことに気がついたわけである。ここではそんな視点から、みんなが一度は憧れる南海のビッグゲームに取り組む際の考え方を中心に私の思うところを紹介したい。
タックル考察
私はベイトタックルでゲームを組み立てているが、こんな偏った釣りを展開している私にもタックルなどに関する問い合わせが結構ある。みなさん遠征が決まった瞬間から一番気になるのがこの部分なのだろう。
システムについてはロケーションやターゲットでかえているが、それは自分の経験や技術、体幹などすべてのバランスを加味したものであり、当然万人に当てはまるわけではない。以下でご紹介するスタイルはあくまで参考データのひとつと考えていただきたい。
私が使用するMCワークス・RB106XXのようなヘビーロッドのスタイルはアングラーの体格、体幹バランスなどを考慮すると一般的なものではないのかもしれない。しかし、ロックショアのビッグゲームは非常に手ごわく、サイズによってはフルロックで対応できる限界を越えている。何度もフィールドで悔し涙を飲み、体幹トレーニングまでしてこの釣りに取り組み続けるマニアなアングラーには、ストロングスタイルにマッチするこのクラスのロッドが必要不可欠であることは今後もかわりないと思う。
それを前提に、もっと一般的で多様なフィールドで必要とされる奥行きがある攻めが可能なタックルをあげるなら、RB109XR-1やRB107XR-2といったクラスのロッドとなる。
これはソルティガ、キャタリナなどのLD30クラスのリールとジャストマッチするロッドで、必要なパワーを残しつつも操作性重視の設計なのでRB106XXにLD50クラスを組み合わせるタックルと比較すると、小型のルアーも軽快に扱えるようになっている。
フィールドによってはベイトサイズに合わせた小さめのルアーの方がよい場合があり、小型ルアーを意のままに操作するにはある程度はライトなタックルが要求される。タックルがいくぶんかライトになることによって、ファイト時に瞬間的な対応力でパワーを補わなければならないという課題もあるのだが、一般的に扱いやすいというメリットもあって、今後はたぶんこのクラスのタックルが主流になると予想している。
《参考タックル》
【ミディアムヘビー】ロッド=MCワークス・レイジングブルRB109XR1/リール=ダイワ・ソルティガLD30HS/ライン=PE6号/リーダー=フロロ18号+フロロ30号
【ヘビー】ロッド=レイジングブルRB107XR2/ソルティガLD30HS/ライン=PE8号/リーダー=フロロ20号+フロロ40号
【ルアー】UZU・ウータン42㌘、明日かもジョー、FCLLABO・HRTM140、ヤンバルアートクラフト・ハリアー165
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