半世紀のトライ&エラー|【THE ANSWER vol.7】
海のルアー釣りを半世紀も続けていると、さまざまな失敗があります。ただ、釣りにおいても失敗からの学びというのは大きいもの。そこで今回は私の学びについて紹介させていただきたいと思います…
Text & Photo 辻本 隆
釣りでもトライ&エラーという言葉をよく使いますが、実際に失敗からの学びというものは多いものです。そこで、今回は私の過去の失敗談を紹介させていただきますので、参考にしていただければ幸いです。
シーバスゲームの失敗談
まずは私がルアーでスズキを狙い始めたころの話。初めてスズキをキャッチしたのは今から46年前のことになります。当時は専用タックルはおろか、ルアーも満足にない時代で、今でも釣り具店でよく見かけるコンパクトロッドに12㌘のスプーンでキャッチしました。当然インターネットもなく、海のルアー釣りに関する情報は皆無。すべてが手探りの状態でした。
そのころの私は投げ釣りが大好きで愛南にマダイを狙いに行ったり、金沢までカレイを釣りに行ったりしていました。当時スズキは夏の夜にブッ込み釣りや、電気ウキを使った釣りで狙うものだと考えていました。実際それで6月に境水道で40~52㌢を3匹釣りましたし、釣友は南紀の浦神湾で67㌢をキャッチしていました。そういったことからルアーで狙う場合も当然夏の釣りという認識で、5月ごろから10月ごろまで港湾でルアーを投げていました。そして、1年めの釣果は7匹。エビ撒き釣りならひと晩で上げる釣果ですし、サイズも70㌢止まりでした。
それでもルアーで大型のスズキが釣りたいという思いが強く、投げ釣りで和歌山に釣行した際は有田川や古座川の河口で朝まづめにルアーを投げていました。しかし、こちらも6月に古座川河口で75㌢のスズキをキャッチしたのが唯一の釣果でした。
その後、冬場に大型のスズキが釣れることを知りました。正月休みに有田川河口でヒラメを狙っていると、朝まづめに大型のスズキがヒットしたのです。このときは2匹キャッチすることができました。まさに念願が叶ったわけですが、大型を手にするまで随分遠回りしてしまいました。
これは情報がない時代ならではの失敗談といえますが、海のルアーフィッシングを半世紀も続けていると、人間の思い込みによる失敗は随分あるものだとつくづく感じています。
たとえばウェーディング。一般的にマルスズキやヒラスズキといった大型魚は深い場所にいると思いがちです。もちろん、普段はそこそこ水深のある場所にいると思いますが、彼らが摂餌行動をとるときは極力エネルギーを使わずに効率よく捕食しようとします。そういったことから夜間などは人間がウェーディングできるほどの浅場で狩りをするもの。それを踏まえてできるだけウェーディングを避け、ルアーの射程内に彼らが狩りにくるタイミングを考えることが重要です。
不用意に立ち込んで浅場にいるベイトを散らしてしまうと、スズキの回遊があってもすぐに去ってしまい、アングラーが自ら時合を短くしてしまうことになります。もちろん、狙いの橋脚やシモリが遠い場合などはウェーディングが有効ですが、そのあたりの見極めをしっかりとすることが大切です。
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