よく釣る人が実践している実釣前の準備とは?
コンスタントに釣果を上げる人はどこが違うのか…? 名手が日ごろから何気なく実践している習慣からレベルアップのヒントを得よう‼
解説:弓削和夫
天候に合わせたタックル選び
私の場合、ターゲットはたいていアオリイカですが、メバルとアジをメインにすることもあります。アオリイカ狙いで釣行するなら場所を決め、次に時期によるアオリイカの大きさで餌木のサイズを決め、それに応じたロッド、ライン、リールを決めます。つまりターゲット側から考えて場所やタックルを決定します。それから自分が楽しむためのタックルを加えるという流れで準備をします。
たとえば南紀・串本に釣行する場合、パソコンで衛星画像による黒潮の流れと、リアルタイム海洋情報収集解析システムによる串本の西側と東側の水温データを見ます。黒潮の接岸があれば水温が急に上がることがありますが、それまでいたアオリイカは急上昇にはついていけないため、湾奥のように水温変動の緩やかな場所へ移動することがあります。
冷水塊が接岸した場合も同様に水温の安定している場所へ移動することがあります。ただし、2~3日もすると変化した水温に慣れるので、急変動の見られた日からの経過日数によって湾奥を狙うか、岬かシャローかと考えます。
季節風による水温変化もありますが、荒れていなければ影響が及ぶのは表層だけなので十分な水深のある場所を選ぶことで対応できます。また、串本の西側は全体的に浅いことから西風が吹くと荒れやすいのですが、それが治まる時刻がわかれば砂浜から離れた場所を選ぶことで潮が澄みだすタイミングを狙うこともできます。
水色がクリアと予想されるなら餌木は派手めのカラーを多めに、濁りがあるなら濃いカラーをチョイスして持参する数を決定します。東側ではごくマレに、春に伊勢湾の冷たい海水が南下してくることがあるので衛星画像を注視しておきます。
持参するタックルの量によってバッグのサイズも決まります。私はショルダータイプのモンベル・トラベラーバッグのS、M、Lを使いわけていますが、たいていはMを使用します。ショルダーバッグならロッドから手を離さずに片手で首に掛けたり足もとに置くことができて便利です。ただし、あまり多くのタックルを入れると出し入れのたびにおろすこととなり面倒なため、8分め程度にします。目の届くところに置いて入れ忘れがないようにします。
大会やイベントで釣行する場合は順番が若干かわります。場所は決まっているので水色を想定し、餌木のカラーを中心に持参するタックルを考えます。
プライベート釣行では途中で根魚や青物狙いに切りかえることもありますので、それらのタックルのぶんだけ餌木の数を減らします。一方、大会ではアオリイカの活性を探ることを重視しますので持参する餌木は多種多様となります。いずれにせよ、量を減らすことを考えるのもタックル準備のコツです。
他に、獲物を入れるためにジッパーつきのビニール袋を用意します。3㌔クラスが入るサイズを春は数枚、秋は10パイずつまとめてクーラーに入れるので10枚程度を丸めてバッグに入れておきます。
タックル細部のチェック
タックルを準備する際にはロッドのガイドをチェックします。釣り場でロッドを置いたり立てかけたりするうちに、ガイドのフレームには傷が入ります。もしあればコンパウンドやサンドペーパーを使って傷を消します。元ガイドとトップガイドのリングとフレームは特に念入りにチェックします。
ガイド内の傷のチェックにはカッターの刃を使います。釣友はシャーペンの芯を使うそうです。以前にSiCリングの横が剥離したこともあり、PEラインが生命線である釣りにおいてガイドのチェックを怠ることはできません。
リールも同様にベールアームやスプールエッジに傷がないかどうかと、ラインローラーの回転のスムーズさをチェックします。ラインローラーの回転がわるいとラインが痩せるため要注意。ライトラインを使う私にはここのスムーズさが欠かせません。その後、リーダーを結び直し、予備の残量もチェックしておきます。
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