シーバスゲーム、激流を制するノウハウ|【Catch the Fun!! vol.6】
激流をダイレクトに撃つ鳴門のボートシーバスゲームは非常にテクニカルで細かなテクニックが要求されます。ルアーの流し方など、アングラーとしてのウデを磨くには絶好のパターンとなるから…
Text & Photo:加地武郎
春のシーバスゲーム
鳴門のシーバスゲームといえば、冬場の北西風が吹き荒れるゴロタ浜を思い浮かべると思います。ただ、それ以外のシーズンも当然シーバスは釣れるわけで、1年を通してさまざまなパターンで狙うことができます。そして、今回は釣友に誘われて春のシーバスをボートから狙ってきました。
シーバスのコンディションとしては、冬の産卵から時間も経過しているので体力も十分に回復しているはず。また、最低水温から徐々に上昇しきているタイミングで、ある程度ベイトさえ入っていれば楽しい釣りが期待できます。さらにはボートゲームとなれば鳴門名物の激流をダイレクトに撃てるわけで、否が応にも期待は高まります。
期待のメバルは不発
当日は夕まづめからの実釣に備え、早めに港に到着してタックルを準備。オフショアゲームのように複数で釣行する場合、自分のペースで行動することはできないのでラインシステムをはじめ、タックルセッティングなどの準備は事前にきっちりしておくことが重要です。余裕を持って早め早めに行動することで無用なトラブルを防ぐことができます。
さて、準備万端で太陽が西に傾いたころに出船。ポイントの様子をゆっくりと見ながらポイントへ船を回します。ちなみに、急潮流で知られる鳴門だけにナイトゲームは熟練の船長さんの存在が頼りになります。間違ってもマイボート(素人船頭)での釣りはお控え下さい。
当日は風もなく穏やかな釣り日和。スタート時はちょうど潮止まりのタイミングで、普段の鳴門からは一変して水面が静かでした。そんな中、まずはメバルを狙ってジグヘッドリグをキャストします。
この日は潮の緩むタイミングと夕まづめが重なり、風が穏やかであることからメバルにも期待しての釣行だったのですが、期待とは裏腹にいっこうにアタリがありません…。そうこうしているうちにゆっくりと潮が流れ出し、ところどころに白い潮の筋が入り出しました。このタイミングでポイントを移動して本命のシーバスを狙うことにしました。
テクニカルなゲーム展開が魅力
まずはシャロー系のミノーで表層を探ってみます。潮が動き出すタイミングとはいえ、そこは鳴門の潮ということであっという間に流されてしまいます。潮かみから扇状に手前へと流れてくる潮で、キャストポイントには磯が点在しているので非常にテクニカル。ピンに落とすキャスト精度はもちろん、トレースコースやリトリーブにも細かなテクニックが必要でかなり楽しい展開です
いろいろと試しているうちに、気づけばあたり一面が真っ白なサラシに包まれ、潮は濁流となっていました。その流れにルアーを乗せながら手前に引いてきたところでヒット!! 手にしたのは居着きの個体で痩せており、背中も黒ずんでいました。
その後もキャストが決まってルアーがよい潮に入れば、3投に1回ぐらいの割合でヒットするもののサイズが伸びず、あいかわらず居着きの黒くてスリムな個体です。
ここで少しポイントを移動して本流の脇にできるストロークの長い潮を狙うことに。すると、この判断が正解でアタリが連発してサイズもアップ。肥えたシーバスが混じるようになりました。このポイントでは全員安打と楽しくなってきましたが、やはりテクニカルなのでヒットの数は徐々に差が出始めました。
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