エギングの新たなアプローチ「強波動アピール」|【UNCHAIN SKILL act.9】
最近、リリースされている餌木を見ても、波動元年といえる時代がやってきたと感じている。そこで、今回はアオリイカの興味を餌木に向け、捕食スイッチを入れる強波動アプローチについて紹介したい…
解説:安田栄治
目先の異なるアプローチ
近年は以前と比べてアオリイカが釣れなくなったという意見をよく耳にする。確かにひと昔前のように安易には釣れなくなっており、理由としては次のことが考えられる。
①乱獲や気候・環境の変化、周年差によるアオリイカの個体数の減少。
②エギンガーの増加によるハイプレッシャー化と1人当たりの分け前の減少。
③従来のシャクリ、跳ね上げやダートに対するスレの進行。
①に関しては、アングラーとしては対処の手立てがない。しかし、②と③は何とかすることができる。②の対ハイプレッシャー化対策としては、人気釣り場の不人気スポットや、見落としがちなピンスポット、釣りにくい藻場、通常タックルでは届かない沖などを効率よくランガンする、また他のアングラーがエントリーしないタイミングやスレがリセットされる荒れ直後に竿を出すなどでリカバーできるだろう。
③の跳ね上げやダートに対するスレの進行については、未だ懐疑的なエギンガーも多いと思うが、目が大きくて発達しているアオリイカの場合、視覚的要素をもって捕食する割合が高い。また、これまで長年に渡って跳ね上げやダートに反応したアオリイカがキープされ続けたことにより、それに反応しなかった個体のDNAが残ることで跳ね上げやダートがNGアクションになっているのではないだろうか?
学習されにくいとされている餌釣りではあいかわらず釣れている。さらに私自身、ベイトがいるのにアオリイカの反応が得られないという場面で登場したサビキ師によるベイトの不規則な動きにポイントがアオリイカだらけになったという経験を何度もしている。
回収時のファストリトリーブに猛チェイスしてくるアオリイカも少なくないし、密かに巻きのアプローチであるグルグル釣法を組み込むベテランも多い。このように目先の異なるアプローチが有効となる場面は多いが、それを安易に実現できる各種餌木では好反応を得られるものの、食わせのタイミングを作りづらいことから釣果に繋がりにくい。歴史のある餌木は長い年月をかけて進化した結果、アピールと食わせを両立した最も効率のよいルアーだったのだ。
タイラバのラバージグにイカ類の反応がよいことは愛好家におなじみだったが、その微波動を餌木に取り込んだデュエルのパタパタがフィールドを席巻していることからも、その有効性は理解できるだろう。そして、今回紹介する強波動アピールは、アピールと食わせのタイミングの両面で効率のよい餌木を用いた新たなアプローチである。
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