【ショア青物ゲーム】低水温期に釣果を上げる実戦的ノウハウ
近年のショア青物ゲームは温暖化の影響かベイトの接岸などに誤差が生じ、過去の経験に基づいたポイント選択が通用しにくくなっている。そこで臨機応変な対応が要求されるわけだが、それには自身の観察眼を磨くことが不可欠となるから…
解説:黒川弘樹
ポイント選びの基本
ショア青物ゲームにおけるポイント選びでは潮通しのよさを重視するのがセオリーだ。他にも青物に限ったことではないが潮位やベイトの存在、水温なども加味してポイントを選択すべきである。
また、地域ごとに考慮すべき要素もあり、たとえばホームグランドの和歌山県は全般にシャローエリアが多いので、ショアゲームを成立させるには潮位とともに風向きや風速にも気を配る必要がある。
水温だけを軸とした考え方はNG
そして、冬場から早春にかけては1年のうちで海水温が最も低いが年々、暖冬の影響が大きくなっているように感じている。「この時期にはこのあたりにベイトフィッシュが入ってくる」といった、経験に基づいた自分なりの低水温期の定番ポイントがあるが、数年前からそれらでは青物が釣れなくなっている。
ブリ族の適水温はだいたい19度ぐらいといわれている。暖冬により平均的にその水温に近づいたことで行動範囲がかわる、キビナゴ・アジ・サバ・イナッ子といったベイトフィッシュも過去の実績ポイントにかたまらず、青物が回遊してこなくなる、ということが起こっているようだ。
和歌山県の場合はそこに黒潮暖流の接岸、離岸による水温変化もポイントのよしあしを決定する要素のひとつとして存在するため、釣行前の情報収集はかなり密に、多岐に渡って行なう必要がある。私の場合、釣行の1週間前から海水温の変動などが分かるwebサイトをチェックし、2日前ぐらいからは天気図も細かくチェック。風向きや風速をしっかりと確認しておく。
ベタナギの日でも青物が釣れないことはないが、やはり適度に波気がある日の方がバイト数は多い。とはいえ、思うような気象条件の日に釣行できるとは限らない。だから、魚の回遊により強く影響する潮通しを最優先して釣行エリアを決め、その中で適度に風が当たる場所、潮がよく動く潮位となるタイミング、というように絞り込んでいく。
流れをヒントに狙い目を絞り込もう!!
図のようなポイントの場合、潮が流れる向きによって狙い目がかわる。上げ潮のときは沖の本流が手前に寄りやすく、ハエ根の潮しも側となるⒶは回り込んだ流れの中へベイトを求めて青物が入ってくると考えられるのでその先へキャスト。風や表層の流れを利用してラインメンディングし、ハエ根に沿うようなコースでルアーを引く。岸寄りの潮が本流に押されることでⒶではハエ根の先の潮目が沖へ離れていきやすいので飛距離を稼げるルアーが有利。また、沖から入ってくる群れを迎え撃つイメージでオープンエリアとなるⒷを探るのも手だ。
下げ潮のときは、それ以前の高潮位時に比較的手前まで青物が入ってきていることがあるから大きなチャンスといえる。それに、下げていく流れを横切るような向きでルアーを引く場面が多くなるのでしっかりと流れを感じることができ、ルアーにアクションをつけやすい。ダイビングペンシルやポッパーなどは少ない移動距離でより多くのサソイを繰り出せる。狙い目はやはりハエ根の潮しも側となるⒸ、Ⓓ、Ⓔなどだ。
とにかく、潮の流れはターゲットのみならずベイトの動向も左右するし、水温にも影響を及ぼすから時期を問わず重視すべきだ。それに加えて波やサラシ、安全面も含めた釣りやすさなどに関係する風の状況を見極め、各自なりにポイントを捜し出してほしい。
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