エコジャークで大型青物を攻略!!
細分化するシーンへの対応策は「長めでやわらかめのロッド+大型リール+細めのライン」でジグを泳がせるエコジャーク。タックル自体は多少重くなるものの、デメリットよりもメリットの方が多い道具立てとなるから…
解説:永井誠一
ジグを跳ね上げずに泳がせる
近年はヒラマサやブリなどと対峙する機会が多く、それに合わせたタックルを選択しています。ここ数年はそのあたりの考え方も徐々にかわりつつあり、スローピッチやキャスティングといった具合に釣り方自体が細分化されています。その中で特に大型青物狙いの場合はキャスティングが有利であると感じています。
ただ、私自身はやはりジギングにこだわりたいと考えているのですが、以前に比べると太ラインでは極端にアタリが少なくなったように思います。船がポイントに向かっていく場合、潮先に極細ラインで釣りをするアングラーがいたら魚が先にヒットして、ファイトに時間がかかればそれだけでワンセットが終了するということも多々あります。特に最近は細糸による食わせを重視したセッティングで挑む人が多く、極太ラインを使ったスピニングタックルの出番が少なくなってしまうのが現状です。
そういった意味では参加するメンバー同士で使用する道具の打ち合わせを行なうことも大事かもしれません。実際に我々の釣行ツアーでは、このタイミングは大型が食ってくるから4号以下のラインは使用禁止などと決めることもあります。
私自身、ベイトタックルばかりを使っていた時期もありましたが、今は釣行する海域やスタイルなどからスピニングタックルがベストマッチしていると思っています。ただ、ここ数年は細分化するジギングシーンに対応するべく自身の釣りに変化の兆しが見えてきました。そのキーワードは「長めでやわらかめのロッド+大型リール+細めのライン」というもの。さらにはエコジャークで今までとは違う流れのジギングを楽しんでいます。
ライトタックルととらえると話がややこしくなるのですが、やわらかいロッドでジグの動きを制御し、シャクッたときにジグを跳ね上げずにやわらかなロッドの弾性でニョロニョロと泳ぐような動きを演出するイメージです。ジグアクションのイメージをシャクるから泳がせるへと転換させています。
リールは極力大きな番手のローギヤタイプを使用(シマノ製で20000番、ダイワ製で6500番クラス)。リールハンドル1回転あたり100㌢ほどの巻き取り性能があるので底から20㍍までを探るのであれば単純計算で20回巻いて再度フォールさせるとわかりやすいです。当然、リール自体に馬力とトルクがあるので巻くだけでジグへの入力も完璧にこなし、フッキングで多用する巻き合わせも回収効率がよく重宝します。また、重いジグへの入力もラクですし、たとえるなら1500㏄の車のエンジンと大排気量のアメ車ほどのトルクの違いがあります。道具自体が多少重くなるぐらいでデメリットよりもメリットの方が多い道具立てだと思います。
スタイル習得に向けたアドバイス
私もあまり無理ができない年齢になってきました。昔はヘビータックルを用いたハイピッチ的な釣り方がメーンでしたが、最近は前述のように極力エコな釣り方に徹しています。同世代の釣り仲間も肩を壊したり、手首がおかしくなったり、腰を痛めるなどの話を聞くことも多くなってきました。
ヒットの衝撃は結構なもので、高反発なロッドでハイテンションなドラグ設定では確かに手首がおかしくなったり、ファイト中に腰を痛めたりすることも。そこで前述のようにやわらかめのロッドを使用し、想定したヒットレンジでスローテンポなフワフワとした感じのアクションを演出します。アタリがあればそのまま巻き合わせ、魚の重みが十分に乗ったところでさらに合わせを入れれば完璧です。
使用しているロッド(がまかつ・ジグレボ6.2㌳)が幾分長いので、立てた状態でのファイトには向きません。水平よりもやや下方向に保持しながらのゴリ巻きがラクです。また、大型がヒットしたときはさらにロッドを下に向けてストレートポンピングで対応するのもアリです。このあたりはスローピッチのロッド操作と似た部分があります。
最近、特にスローピッチによる中深海の釣りでは低伸度ラインが多用されていますが、青物の場合は水深120㍍までのポイントを狙うことが多いので、ある程度のび率が高いラインがよいように思います。現在は情報が豊富なのでライン選択も迷うところでしょうが、ノーマルのPEラインの方がよいと思います。
ジグ選択も迷いが生じる部分ですが、私は基本的にはシルバーカラーをメーンに使用しています。水深100㍍までなら魚もキラキラと光るものに興味を示しますし、メーンに使用する色を決めておくと、人間の思い込みであれこれと迷わずに済みます。
信頼できる船長の存在が一番の財産
以上のような感じで永井流のジギングは結構奥が浅い‼(笑)。今までの経験値を元に行動を起こし、魚のいる場所で釣りをする。大物と巡り合うチャンスをつかむにはとにかく沖へ出ることです。結構単純な釣りですが、そこにたどり着くまでが大変でした。私と同年代のオッサンアングラーはルアー船がまったくない時代からジギングを始めました。これを話すとそれこそ「歳やな~‼」と笑われますが、自分で見つけた気の合う船長は一番の財産です。
基本的に私は地元の船を利用します。その海域や港、漁連にはそれぞれのルールがあり、専漁、遊漁とそれぞれがトラブルのないように取り決めが交わされています。そうした現実も理解しつつ、お互いに長い間楽しめる釣り場であってほしいと願うのは誰しも同じだと思います。
今は釣れるときだけピンで狙い撃ちできるほどになってきましたが、過去にははずした経験の方が多いのも事実。「いいとこ取り」もよいのですが、釣れないときにも竿を出し、地元の方との信頼関係を築くことの重要性も長年の経験で少し見えてきたような気がします。
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