誰も知らない「裏時合」到来の傾向と対策【エギング編】
アオリイカ狙いでは濁りや水潮が悪条件という認識が一般的だが、一概にそうとはいえない。そんな状況だからこそ狙い目を絞り込みやすくなり、結果的に連発するケースも…‼
解説:弓削和夫
エギングにおいて濁りはむしろ大歓迎!?
昔は毎週のように和歌山へエギングに行っていた。最初は三重からスタートし、釣果が落ちてきたので7月からは和歌山へと場所を移したのだが、今では考えられないほどの釣果が出ていた。50㍑のクーラーボックスを持参するのが当たり前で、2人で行くならそれを2個用意していたほどだ。
あるとき、各所を回ってそこそこの釣果が得られ、最後に小さな河川が流れ込んでいる海水浴場に隣接する防波堤に行った。ところが、上流で直前にゲリラ豪雨があったようで濁流が流れ込み、あたりには茶色い水が渦巻いておりキンギョ藻やカメが流されてきた。「これはダメだな。移動だな」と思っていたところ、同行の高校生が餌木をキャストしていきなりロッドを曲げた。流木にでも掛かったのかなと思って見ているとグイグイと引いている。当の高校生も私も半信半疑で見ていると、上がってきたのはアオリイカだった。
それをキャッチして次のキャストでもヒット、さらに3投めもヒット。私も慌ててロッドを用意し、沖に向けてキャストしたら適当に沈めてシャクり上げる。そして、ラインを張るとすぐに走った。以後はいつにない入れ抱きとなったが、浅い場所なので上は濁っているが下はクリアという状態とは考えられず、まさに茶色い水の中での荒食いだった。
後で考えると、濁流となっている川の中央部は流木や藻が流れてくるので、それがラインに絡まるのを避けるために流れが弱まる場所へキャストしていた。これは台風後に増水した河川で川漁師が目をつける、コイやフナが溜まる場所と同じような条件である。しかも、突然入った濁りのため周辺のベイトがそのピンポイントへ逃げ込んできて、アオリもそれを狙って集まったと考えられる。本来は濁りを嫌うとされるアオリイカだが、ベイトの魅力には勝てなかったのだろう。このときの経験から、少々の濁りであればエギングは成立すると考えている。
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