タイラバにおける「スピード」を考察 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

タイラバにおける「スピード」を考察

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

[spacer]

ミディアム~ファストスピードも積極的に活用

タイラバは「底取り」と「巻き上げ」を繰り返すだけのシンプルな釣りである。私の場合、着底から10㍍まで巻き上げ、再び落とすというパターンを基本としている。アタリがないときは4~5セットに1回は20㍍ほど巻き上げ、シャローエリアでベイトが浮いている状況ではリーダーがガイドに入るまで巻き上げることもある。

そして、ヒットに持ち込むためには、「着底」から「巻き上げ」をいかに素早くスムースに繋ぐかにかかっているといっても過言ではない。この一連の動作にもたつくとヒット率が下がると考えてよい。

スピードについては、フィールドにかかわらずミディアムリトリーブからスタートするようにしている。私にとってのミディアムは1秒間にハンドルを約1回転半。使用しているリールのハンドル1回転の巻き上げ長は67㌢なので、およそ秒速1㍍のスピードである。

その後は状況に合わせてスピードを調整することになる。一連のパターンとしては、まずミディアムリトリーブで様子を見て反応がなければファスト(ミディアムのほぼ倍速)に切りかえる。テンポよく探りたいのでスローやデッドスローを試すのは最後である。

マダイの捕食スピードは想像以上に速い。「タイラバ=スローリトリーブ」という先入観からファストリトリーブに疑問符をつける人もまだまだ多いみたいだが、ぜひとも速巻きを試してほしい。

リトリーブ中はティップを注視して曲がり具合を確認しておくことが大切だ。潮がきいているところではいつもよりティップが入るはずである。そういうポイントはチャンスなので特に集中したい。繊細なソリッドティップを好んで使用するのは食い込みのよさだけでなく、状況を感知しやすいのも理由の1つだ。

フォールスピードへの意識

食わせの適正スピードは確実に存在すると思っている。さらに、フォール(着底)から巻き上げまでを1つの動作と考えるなら、フォールスピードの調整も必要ではないかと考えている。具体的にはスローリトリーブの場合はフォールもスローに…といった具合に、メカニカルブレーキの調整やサミングなどで、できるだけ巻き上げ速度と同じスピードで落とすように心がけている。

たとえば、水深50㍍のポイントで魚探には底から10㍍までのレンジに反応がでているとしよう。このとき、最初はフリーで速く落としてもいいが、水深30㍍あたりからフォールスピードの調整に入る。着底後は少しでも早く巻き上げを開始し、できるだけラバージグの動きを止めないことがキモになる。

特に遊動式のラバージグを用いたタイラバではフォール時のアタリをとれる確率も格段に高い。魚は落ちるものに対して強い興味を示すもの。リーリングだけがクローズアップされているが、この先はフォールの重要性が注目されるようになると考えている。

例外パターン

●マダイが底にべったりとついているとき…低活性時はマダイが底に張りついて離れない場合があり、特にドテラ流しのときは巻かない釣りが有効になることがある。着底後、少しだけ(数十㌢)底を切り、底から20~30㌢のレンジをだらだらと流れるようなイメージで必要な量しかラインを巻き取らない。後はときおり底を転がすようなイメージで探っていく。

●潮しもの釣り座…オフショアゲームでは必ず釣り座の優劣が存在する。もちろん、魚にいち早くルアーを見せられる潮かみが有利になることは間違いない。特にタイラバにおいてはその傾向が顕著である。

そして、不利な潮しもの釣り座になった場合は、ポイントとはミスマッチなヘビーウェートのラバージグを使用することがある。潮かみのアングラーより先に着底させてマダイにアピールするのが狙いだ。このときに限っては、フォールスピードの調整などは無視する。

また、キャスティングで異なるポイントを探るのも一手だが、それを認めていない遊漁船も多いので必ず事前に確認したい。

反応がないときは柔軟な思考で対応

魚の反応がないときに考えられることは大きくわけて以下の2つである。

①潮が動いていない…私自身、タイラバにどっぷりとハマるまでは、マダイが潮に敏感な魚であることを知らなかった。実際には、潮止まり時は非常に食いが渋い。

正直、竿を置いて食事休憩にしたいところだが、口を使わない状況であればリアクションバイトを誘うしかないと考えている。なるべく波動の大きいネクタイやヘッドを用いて魚の興味を引くしかないだろう。

②ベイトの誤認…雑食性のマダイは何を食っているかわからないことがよくある。同じ海域に生息しているにもかかわらず、個体によってメインに捕食しているベイトが異なる。過去にはイワシが沸いているポイントで釣ったマダイが大量のカニを吐き出したこともあった。

もちろん、これは釣り上げてみないとわからないことだが、固定観念にとらわれずにさまざまなベイトの可能性を予測する必要がある。イワシが多いからといって高速リトリーブを繰り返しているようでは、底に張りついているマダイをキャッチすることはできない。

タイラバ スピード3

1つのベイトに固執し過ぎると後手を踏むこともあるので要注意だ。

[spacer]
                    

《参考タックル》 ロッド=メジャークラフト・ジャイアントキリング(タイラバモデルのソリッドティップシリーズ各種)/リール=ダイワ・リョウガC1012PE/ライン=ゴーセン・ドンぺぺ8 0.6号/リーダー=フロロ2.5号/ラバージグ=ハヤブサ・無双真鯛フリースライドシリーズ各種

(SWゲームフィッシングマガジン 2014年12月号より)

スポンサーリンク

[spacer]

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。