釣り道具としてのヘッドライトを徹底考察!! ヘッドライトの選び方|【UNCHAIN SKILL act.8】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

釣り道具としてのヘッドライトを徹底考察!! ヘッドライトの選び方|【UNCHAIN SKILL act.8】

釣り具 ヘッドライト1

進化が目覚ましい近年のLEDヘッドライト。実にさまざまな要素から構成されており、各々のスタイルやシチュエーション、目的をしっかりと見極めてマッチするアイテムを選択する必要があります。今回はその眼を養うために押さえておきたい事柄について紹介しましょう

Text & Photo 安田栄治

ヘッドライトの重要性と性能を構成する要素

ナイトゲームには必需品となるヘッドライトですが、ある意味でタックルやルアー以上に重要な釣り道具といえます。移動時やラインシステムの組みかえ、ルアーチェンジ、ファイトや取り込み時に欠かせないばかりか、転倒による受傷事故やタックルの破損を予防し、命を守る道具であるからです。

それにもかかわらず、これまであまり語られてこなかったのは「エキスパート=ベテラン」であり、高性能なヘッドライトがなかった時代を経験し、釣りを確立してきたからではないでしょうか。ともあれ、近年のLEDヘッドライトの進化は目覚ましく、釣り道具としてはほぼ完成の域に達していると感じています。そこで今回はベッドライトに対する考え方について私なりに解説します。

まず、ヘッドライトの性能といえば、明るさのみに注目するアングラーが多いと思います。しかし、ヘッドライトの性能を構成する要素は以下のようにさまざまです。

①明るさ
②ランタイム
③構造・自重
④価格
⑤防水性
⑥照射面の広さ
⑦照射面の狭さ
⑧スライド幅の広いフォーカス機能(ワイド↔︎スポット)(散光・集光)
⑨照射面の均一性

これらを無視して語ることはナンセンスで個々のスタイルに応じて以降で紹介するさまざまな要素を反映し、自分流の選択をすることが重要です。

「明るさ・ランタイム ・構造&自重」について

 

①明るさ

「ヘッドライトは明るくてナンボ!!」というのはすでに過去の話。近年は強烈な照度を誇るヘッドライトもリリースされていますが、釣りにおいて必要とされるケースはマレであり、オーバースペックの感は否めません。適正照度の問題もあり、ルート検索や釣り場や移動のシチュエーション、ラインの組みかえやルアーの交換など、目的に応じて求められる明るさが異なります。大は小を兼ねるといいますし、照度の高いライトでも光量の調整は可能です。ただ、電池の出力や容量の問題もあり、ヘッドライトの大型化は必然で疲労の度合も大きくなります。そこで、安全性の確保という観点からも予備を含めた複数のライトを所持するのが望ましいといえるでしょう。そして、装備の軽量化、パフォーマンスの向上を目指すべくライトのサイズも重要視したい部分です。

また「明るい=よく見える」ではなく、真新しい堤防やテトラ、ウェーディング時の水面など、明る過ぎると反射が強くて眩しい場面も少なくありません。そういった意味でも、重要視すべきは明るさよりも明るさの質となります。

②ランタイム 

各メーカーのスペック表を見て「同じルーメン数(明るさ)と電池でランタイムが長い(or短い)」と一喜一憂するアングラーも少なくありませんが、これは単に設定の違いに過ぎません。特徴としては以下の2種類のライトがあります。

Ⓐ使用・経過時間によって徐々に暗くなっていき、最後は消える。
Ⓑ一定の明るさを保ちながら電池が切れると突然消える。

Ⓐは電池の消耗により電圧が下がると暗くなり、Ⓑはヘッドライトに組み込まれた昇圧回路により一定の電圧が供給され、一定の明るさが保たれます。当然、途中から消費電力量の少ないⒶの方がランタイムは長いですが、一定レベル以下になると用途ごとに求められる明るさが確保できない場面もあります。Ⓐにおいてこれまでは各メーカーが独自の基準で表記することが多かった使用表記も、近年では米国で生まれた業界基準ANSI/NEMA FL1に沿って表記されることも多くなっています。初期の明るさの10㌫に落ちるまでを有効ランタイムと表記するメーカーが増えてきました。

Ⓑも最近では消耗を可視化するインジケーターや、切れる前に知らせてくれる機能を有したモデルが登場しています。これにより慣れればあらかじめ光量の変化や経過した時間から残容量を予測できます。

結果としてそれぞれのタイプには一長一短があることから、自身が所有するヘッドライトの性質をしっかりと理解したうえで、交換用の電池や予備ライトを装備して適切に交換することが大切です。

釣り具 ヘッドライト2

③構造・自重

ヘッドライトは本体と電源が一体式のものと、分離型に大別できるでしょう。おおむね後者は明るさやランタイムを求めることで電池が大型化するため、重量を分散するために分離式の形態が採用されています。前者はヘッドライトの名の通り、まさしく頭部に装着している分にはストレスも少ないですが、手軽な釣り場でネックライトにする場合やベストに装着するには加工が必要となり、ストレスも少なくありません。また、接続するコードが必要でそれに起因する断線などのトラブルもあって、堅牢性の観点からも一体式が望ましいというのが私の意見です。

総括・その1

①~③に関しては、小型で省電力・高輝度の電球や、小型で高出力・大容量で再生可能・タフな電池など、電球や電池の進化をなくしてはさらなる発展は望めません。そのため、ライトメーカーのみならず電球や電池メーカーの技術革新も不可欠となります。

現状で①~③のすべての要件をより高いレベルで実現することは困難で、だからこそライトメーカーの部材選択やアレンジの妙が光ります。そういったことからアングラーも安易な選択ではなく、各々のスタイルやシチュエーション、目的をしっかりと見極める選択眼が必要となります。

釣り具 ヘッドライト3
数ある選択肢の中から自身のスタイルに応じたアイテムを選びましょう。また、安全性や利便性の観点からも予備も含めた複数のヘッドライトを装備するのが得策です。

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