【ハタ系ロックフィッシュゲーム】低水温期に釣果を上げるノウハウとは? | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【ハタ系ロックフィッシュゲーム】低水温期に釣果を上げるノウハウとは?

オオモンハタ・アカハタ 冬の釣り1

決してチャンスは多くない低水温期のハタ系ロックフィッシュゲームですが、「魚を捜し出して釣った」という達成感は格別。ここではオオモンハタ・アカハタをキャッチするために押さえておきたいノウハウについて紹介しましょう…

解説:葛原正夫

地元の紀東エリアのロックフィッシュゲームは、ハタ系に絞るとアカハタ・オオモンハタの2種がメインターゲットとなります。ハタ系ロックフィッシュは水温低下とともに深場に落ちていくのがセオリーとされ、低水温期に釣果が得られるのは一般的に水深50㍍より深い場所ですからオフショアゲームとなります。しかし、私の経験では厳しいながらもショアで釣果を上げることはできます。

もっとも、よくて1日に数匹といった釣果であり、ボウズ覚悟の釣りであることは間違いありません。そのような中でゲームを成立させるための私なりの考え方をご紹介しましょう。

有望なポイントの選び方

冬から春先にかけてホームの水温は15度前後です。冷たい潮が入ると海底が見えるくらい透き通った状態となるので、目視でおおまかに水温を判断できます。この冷たい潮の影響を極力避けるために、晴天時に日当たりのよい場所を選ぶことが大切です。

夏場とは違い、沖の潮が通ってサラシができるような場所ではなく、あまり直接的には潮が当たらない湾奥寄りで少し水深のある磯場など、ざっくりいうと「安定した場所」が狙い目です。潮通しのよい岬の先端部や波立って荒れやすい場所は外洋の冷たい潮の影響を受けやすく、この時期は非常に厳しいといえます。

有効となるアプローチ

次に、ある程度ポイントが絞り込めてターゲットがいると思えても、なかなか口を使ってくれないことが多々あります。おそらく水温低下にともなってかなり活性が低く、夏場のようなハイアピールパターンでは通用しないのでしょう。そこで私の場合、この時期は主にオオモンハタ狙いにおいて「ローレンジ・ローアピール」を心がけています。

活性の低い個体が食いやすい餌とはどんなものかとイメージすると、少なくとも宙層をガンガンと速巻きしてハデにアピールするのはマッチしないと思えます。そこでハイアピールの要といえるブレードは外し、低めのレンジをスローに引くようにします。また、前記のように潮がクリアな状態であることが多いのでワームのカラーはナチュラル系を主体とし、リグの動きや波動のみでアピールするのが効果的と考えています。ブレードなどを外すことでより自然な動きになり、警戒されにくいように感じています。

ワームはその場で見られるベイトにシルエットを合わせ、体高のあるアジやネンブツダイが多いところでは縦にワイドなボディーを持つタイプ、トウゴロウイワシやキビナゴなどが多いところではスリム系を使用します。ジグヘッドは25㌘をメインに、水深や潮の流れによりウェートを使い分けます。

狙うレンジはボトムの少し上で、基本的に宙層より下を意識してスローリトリーブのスイミングパターンで広範囲を探ります。

一方、アカハタ狙いでは夏場と同様にテキサスリグでのボトムパンプでアプローチします。ただ、こちらもステイの時間を長く取るなどスローに探ることを心がけています。

オオモンハタ・アカハタ 冬の釣り2
バイトを得るのは容易ではありませんが、低水温期でもランカーサイズのオオモンハタが接岸することはあります。

実釣時に意識したいこと

実釣では、回収したリグをたびたび触るようにしましょう。リグはその場の水温を明確に伝えてくれます。冷たい潮が入っている場所を通したときはかなり冷たく感じるはずです。それが、潮がかわる、キャストポイントをかえていくなどして冷たい潮が抜けた場所を通したら温かくなります。そのように温かい潮をとらえたときは時合となることが多いので集中して狙いましょう。

ヒットパターン例

参考までに、過去の釣行の一例を紹介しましょう。その日は水温15度の潮が透き通った状況で、場所によっては15度未満でした。足もとにトウゴロウイワシらしきベイトが見えたため、ヘビーウェートジグヘッドにスリム系ワームをセット。カラーは潮がクリアなのでアピールを抑えたナチュラル系としました。

朝から夕方までずっとキャストを繰り返して何の反応も得られませんでしたが、潮の流れがかわって射程圏内に大きな潮目が寄せてきたタイミングで、ボトム付近をトレースしているとアカハタとオオモンハタのバイトが1回ずつありました。アカハタは30㌢のレギュラーサイズ、オオモンハタは54㌢のランカーサイズでした。

そのように決してチャンスは多くありませんが、そのぶん1匹の価値は非常に大きいといえます。また、活発ではないにしても捕食のために体力のあるランカーサイズのオオモンハタがショアラインに入ってくるのも事実です。セオリーにとらわれず魚がいると信じて釣り場に通い、「釣れた」ではなく「魚を捜し出して釣った」という喜びを味わって下さい。

オオモンハタ・アカハタ 冬の釣り3
潮目が近づいてきたタイミングでヒットしたアカハタ。平常時は水温や海況が安定している場所で、潮がかわって少しでも水温が上がることが時合のきっかけになると考えられます。

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