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強烈な引きが楽しい!! アイゴのヌカ切り釣法の秘訣を紹介

アイゴヌカ切り1

チヌやグレ以上に強い引きを見せてくれるアイゴ釣りのシーズンが始まるのが初夏。それ以降は本格的に狙えば数釣りも楽しめます。ここでは餌取りが多いときに有効な釣法であるヌカ切りのパターンを紹介します。ぜひ参考にして夏〜秋ならではの強い引きを楽しんで下さい!!

アイゴ釣りの経験のない方はぜひ挑戦してほしいものです。大きいとはいえない魚体からは想像できない力強いファイトにきっとヤミツキになるはずです。

アイゴの魚影が濃い和歌山県下の釣り場ではチヌの乗っ込みが終わる5月後半から釣れだします。サイズは20〜30㌢クラスが主体ながらも、ときには40㌢級が出ることもあります。数はいいときなら2ケタ釣果も期待できます。身近な波止や釣り公園でも手軽に狙える魚だけにターゲット候補の1つとして考えてみてはいかがでしょうか?

ここではそのアイゴの釣り方のノウハウを紹介させていただきます。

アイゴ釣りの魅力と基本的な釣り方

小さなアタリをとって合わせると、ガツンとハリ掛かりした後にギュンギュンと竿を絞り込む強い引きを見せる、というのがアイゴの1番の魅力です。食味に関しては好き嫌いがはっきりとするものの、きちんと処理(できるだけ早く内臓を出しましょう)をして持ち帰ればおいしく食べることができます。

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小さくても鋭い引きを見せてくれます。

釣り方はヌカダンゴを用いたヌカ切りという方法が有効です。同じくダンゴを用いるチヌ狙いの紀州釣りとの最大の違いは、タナとダンゴが割れるタイミングにあります。チヌ狙いでは底までダンゴを沈めますが、アイゴ釣りでは主に宙層を狙います。

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用いるのは米ヌカを主体としたヌカダンゴです。とてもリーズナブルに楽しめるのもヌカ切りの魅力です。

水面から2ヒロの深さ(タナ)を釣るのであれば、1ヒロあたりで割れるように片手でダンゴを握って投入します。そして、ダンゴが割れて(切れて)からはその濁りとともに刺し餌を2ヒロまで沈めてアタリを待つ、というのが基本的なパターンです。

難しさ抜きの実践解説|アタリ頻発のダンゴ釣りがおもしろい!!【後編・ヌカ切り】
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アイゴ釣りのシーズナルパターン

紀北から中紀の場合、ヌカダンゴを使ってアイゴを釣るのは初夏から11月ごろまでです。

産卵を控えた6月はいわゆる乗っ込み期とあって荒食いが期待できます。そして、7月中旬には産卵期となって釣果は落ち、8月に入ると再び釣れだします。その後、釣り方を工夫すれば11月まで釣れ続くのが例年のパターンとなります。

アイゴのヌカ切りのタックル

竿はグレ竿の1.5号が標準となりますが、やわらかいチヌ竿を極限まで曲げて釣り上げるのもおもしろさがあります。いずれの場合も足場の高さや風の影響を考えると4.5〜5.3㍍が使いやすいでしょう。

道糸は1.5〜2号、ハリスは1.2〜1.7号を用います。ハリは大バリ派と小バリ派にわかれます。小バリを用いるならグレ用の4〜6号、カワハギ用の3〜5号が適しています。

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アイゴのヌカ切りの釣り場

釣り場選びは、釣り公園の釣果情報などwebで情報を収集するのがてっとり早いでしょう。たとえば、シモツピアーランドで好調に釣れていれば、近くの波止や磯でも釣れると考えられる、という具合です。

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釣り公園などから発信される情報を元にして釣り場をリサーチする方法が手軽です。

そして、釣り場の中でポイントとなるのはアイゴが身を隠せるテトラや支柱など。それらの障害物へと当たる潮を釣ると釣果アップが期待できます。

アイゴのヌカ切りの釣れるタイミング

基本的に明るくなってから釣れる魚です。時合は特に気にしなくてもよく、潮流が速過ぎるとき以外は1日中ポロポロ釣れ続くことも珍しくありません。

アイゴのヌカ切りの餌

ダンゴベースについて

ダンゴは、ヌカ7、砂3、押しムギ1を混ぜたものがベースとなります。それに、濁りの煙幕に集まる習性を考慮し、目立つ色の集魚材を入れると集魚効果の高まりが期待できます。また、水温が低い5月や11月などのアミサシや沖アミの刺し餌しか食わないときはアミエビを入れるのが有効です。

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米ヌカ主体に砂や押しムギを加えてダンゴベースを作ります。
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活性が低いときはアミエビを入れるのが効果的です。

刺し餌について

刺し餌は、餌取りの種類、数、そしてアイゴの活性で使いわけます。

餌取りの動きが鈍いなど全体的に魚の活性が低いときは、食い込みのよいアミサシや沖アミのSサイズが有効です。6月に入ってオセン(スズメダイ)やアジが出てくれば餌取りにつよい湖産エビ、酒カス、練り餌が中心となります。オセン・チャリコ・フグに酒カスさえも取られることがある8月にはフナムシやサナギ、押しムギが有効となります。その後、10〜11月には前述した複数の餌を使いわけて食いのよいものを使うようにします。

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沖アミと酒カス、そして押しムギの3種類を持っていればとりあえず何とかなります。

刺し餌は、いずれも小さくハリにつけるのがコツとなります。大きな餌ではアイゴの小さな口に入りきらないからです。

ハリや刺し餌の大きさは釣れているアイゴのサイズに合わせます。酒カスなら小豆大、押しムギなら2〜3粒というのが目安になります。

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海水でふやかした押しムギも用意しましょう。

押しムギを刺し餌として使うときは、海水をしっかりと含ませる必要があります。乾いた押しムギを入れた餌箱に海水をたっぷり注いで15分ほど待てば完成します(ふやけたら海水を捨てること)。こうして作った押しムギは餌取りにとても強いうえ、アイゴ以外にもチヌやグレも釣れるため作っておいて損はありません(さばいたグレやチヌの胃袋にたくさんの押しムギが入っていることからも有効性は高いといえます)。


アイゴのヌカ切りの実釣パターン

仕掛け考察

仕掛けは、軽いオモリと小ウキを用いて矢引きの間隔の2本のハリを配置したパターンがおすすめです。間隔を取った2本バリにすることでアイゴが釣れるタナを早くつかむことができます。ウキ下調整に悩みがちなビギナーには特に推奨したいパターンです。

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反応のよい小さなカヤウキの使用がおすすめです。

この仕掛けの場合、上バリにだけ反応(刺し餌が取られる、アイゴが釣れる)があればウキ下を50㌢ほど浅くする、下の刺し餌にだけ反応があれば50㌢ほど深くする、という具合にタナを効率的に絞り込むことができます。

そして、軽めオモリを使うのはダンゴの濁りの中に少しでも長く刺し餌を入れておきたいからです。重いオモリだとウキから下の部分が立ち過ぎ、先に流れるダンゴの濁りとの同調がはかれなくなるぶん反応がわるくなりがちです。

大切なのは水面付近と2〜3ヒロ下の流れは違うことが多いということ理解しておくことです。ダンゴの濁りが先行するようなら、それに刺し餌が同調するによう竿の操作でウキを引くようにします。

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竿の操作でウキを引ける範囲を狙いましょう。
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このようにアンダースローでポイッと軽く放ればOKです。

そして、アイゴのアタリは小さいことが多いため、小さなウキを水面に浮かせることも重要です。ウキがしっかりと浮いていれば、わずかな反応もとらえることができます。波があるときでも、波長に合わせてウキが入ったり出たりを繰り返すことから、入ったままであればアタリと認識することができます。

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小アタリをとるためにウキは浮かせて使用します。

釣果を上げるための要点

パサパサ気味の水加減で仕上げたダンゴベースを片手に取り、下バリの刺し餌を包むように握ります。力加減は、狙いのタナよりも約1ヒロ上で割れる程度とします。その加減は何度か投入して感覚をつかみましょう。

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狙いのタナの上で割れるようにベースの水分量と握り具合を調整しましょう。

軽く握ったにもかかわらずタナまで切れないのはベースの水分量が多い証拠です。ヌカを追加するなどして調整して下さい。逆に早く割れるのは問題ありません。いずれはフカセ釣り状態となればよいため、餌取りの層さえ突破できればいいからです。

割れにくいダンゴとなる要因の1つに雨水の混入があります。降雨が多くなる梅雨時期は、その不具合を防げるフタつきのバッカンを使うことをおすすめします。

また、手が濡れると酒カスを丸めることができなくなります。前もって丸めておくか、丸めてある酒カスを購入しましょう。

アイゴのヌカ切りの注意点

最後に、アイゴのあらゆるトゲには毒があるので注意して下さい(刺さると腫れて激痛がしばらく続きます)。釣った後はフィッシュグリップなどで頭をつかみ、ハサミでトゲを切り落としましょう。頭付近にある隠しトゲも忘れず落とすことです。

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丸印の部分に隠れトゲがあります。注意しましょう。