渓流アマゴ、源流攻略で好釣果を上げる要点を紹介 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

渓流アマゴ、源流攻略で好釣果を上げる要点を紹介

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魚の活性が上がりだして活発に餌を追うようになると、反応が鈍くなるポイントが多くなります。そうした傾向がある今後に注目したいのが竿抜けになりやすい源流域のポイントです。その釣り場でアマゴやヤマメをよりよく釣る方法を紹介しましょう

【渓流アマゴ】源流入渓の注意点

釣行の数日前から目的地の天候や降雨量を把握しておくことが大事です。急な降雨は鉄砲水の恐れがあるので無理な釣行は禁物です。

渓流釣りでは下流から上流へと遡行しながら釣るのが基本となります。これからおもしろくなる源流域の場合、入山口に駐車してある車の存在などから先行者がいると判断できれば、その谷へは入らないのが無難です。時間を置いてあとから入って釣ることもできますが、そのぶん帰る時刻が遅くなり、事故の危険性が増すことを忘れてはいけません。また、河川の規模にもよりますが、先行者を追い越すのはマナー違反です。

ポイント選択についてわかりにくければ遊漁券を購入した際にお店の方や漁協の方に尋ねましょう。

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渓流釣りでは追い越しは厳禁です。

スケジュールの考え方について

スケジュールは、明るくなってから入渓し、正午ごろには釣りを終えて明るいうちに下山するのが理想的です。帰路は疲労が蓄積しているうえ、気が緩みがちなので事故のないように特に気をつけましょう。

遡行の方法について

遡行時はできるだけ岸近くの低いところを歩くように意識すること。岸から離れて斜面を上がると、その先におりられる場所がないことがありますし、転落の危険性も増すからです。なお、岸や浅瀬では渓魚の警戒心を高める水音を立てないように静かに歩きましょう。

滝や堰堤があって岸伝いに遡行できないときは斜面を上がって高巻きをすることになります。このときはできるだけ垂直に近い姿勢を保つこと。斜面にもたれるように体重をかけると足場が崩れやすいので要注意。グローブも忘れずに着用しましょう。

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ポイントへおりるまでに山道を延々と歩かなければならないこともあります。体力を消耗しやすいだけに気を緩めないようにしましょう。また、岸や浅瀬の岩は足をかけたとたん転がるような「浮き石」であることもよくあります。1歩ずつ慎重に行動して下さい。

山に囲まれて人目につかない場所での釣りは爽快そのものです。しかし、万が一の場合に大きな事故や遭難につながりやすいのも事実です。単独釣行は避けて必ず複数で行動して下さい。

【渓流アマゴ】おすすめの釣り方

渓流釣りでは仕掛けを自然に流す「ナチュラルドリフト」が基本とされます。警戒心の強い渓流魚に口を使わせるために、狙いをつけたピンポイントへ違和感なく餌を送り込んで食わせるイメージの釣りです。

それに対してサソイを多用し、アクティブに餌を動かすアプローチ方法も有効な手段の1つとなります。

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そのメリットは、場荒れを防いで数をのばせることにあります。一見するとナチュラルドリフトと相反すると思える手法でありながらなぜ場荒れを抑えられるのか? それは活性の高い個体をサソイによってつき場からおびき出し、離れた場所で食わせられるからです。ハリ掛かりしたターゲットが暴れたりバレたりしても、つき場に残っているアマゴに与える影響は少ないと考えられるわけです。1匹ずつおびき出せれば同じパターンで釣れ続くことも珍しくありません。また、餌の動きで反射的な食いをうながし、やや警戒心が高まったアマゴにも口を使わせることができるのもメリットです。

餌について

この釣り方にはイクラの餌が合っています。匂いなどによる寄せ効果が高いぶんアマゴに追わせやすいからです。ミミズは見切られるのが早い傾向があります。極端にいえばピンポイントへ入ったタイミングで口を使わせられなければ次のチャンスはありません(濁りの強いときはミミズが効果的)。

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流れの速さに応じて2〜4粒ハリにつけます。抵抗が大きいぶん底流れをとらえやすいというメリットもあります。

イクラだと小型ばかりが釣れると思われがちですが、場荒れさせずに小型から順に釣り上げていけばおのずと型がのびます。このとき、大型ほど底近くの身を隠しやすい好条件の場所を占有しているため、しっかりとそのタナまで餌を運ぶことが大事です。流れの強弱や水深に応じてオモリ(ガン玉)のサイズをこまめに変更しましょう。

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ガン玉は不可欠です。幅広い号数を用意しましょう。

【渓流アマゴ】アプローチのコツ

サソイによってつき場からおびき出すといっても、どこへでも追わせられるわけではありません。アマゴは基本的に特定の流れの筋に沿って行動します。上流から流されてくる昆虫などを待ち構えて捕食する習性があるからです。本来は昆虫などが流れ着かないところ、つまり筋からはずれた場所でサソイをいくら入れてもアマゴにとっては不自然でしかありません。捕食エリア内で動かすからこそ追わせることができるわけです。この部分はナチュラルドリフトに準じていなければなりません。

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アマゴは流れに洗われたきれいな場所を好みます。分解途中の落ち葉が溜まっているところは期待薄だといえます。
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新しいコケ(珪藻)がついていたり、それが磨かれて白く見えるような石が多ければアマゴが潜んでいる可能性が高くなります。

たとえば、図のようなポイントでは、それぞれの流れの筋にアマゴが定位します。水量の変化などが起こらない限り、互いに行ききすることはあまりありません。

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2つの流れの筋があるポイントなら、それぞれの筋にアマゴがついています。
①のアマゴを狙うならサソイを入れながらⒶのコースを流して×印で食わせます。そうすれば①の残りのアマゴや②のアマゴに警戒心を与えにくくなります。アタリがなくなればⒷのコースを流して②のアマゴを×印で食わせます。この方法なら2人でⒶとⒷのコースを同時に流しても互いに干渉しないので場荒れがしにくくなります。
Ⓒのコースだと②のアマゴから見ると流れの筋からはずれていくため不自然であり、追い気を失います。また、①のアマゴも違和感を覚えやすくなります。筋をはずしたり横切るのは禁物だといえます。
なお、①や②の位置でダイレクトに食わせることも可能ですが、そこで暴れさせたりバラしたりすればヒットした以外のアマゴまで警戒させることになります。数を釣るうえでは×印までおびき出すのが有利です。
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うまく釣れば良型の数釣りが可能です。

こうしたポイントで効率よく釣るには、仕掛けをはずさずに一方の筋をていねいに攻め、もう一方の筋にいるアマゴに気づかれないようにすることが大事です。サソイを入れる際には仕掛けが受けている水の抵抗を感じて流れの方向を見きわめ、そこへ餌を乗せて流す程度の力加減とします。流れに逆らう方向へ仕掛けを引かないように竿を操作しましょう。